みんなのおかげで、私の心もだいぶ軽くなったし、学校に行くのもあまり苦ではなくなった。
でも、登校する度に
「今日は何が無くなってるんだろう」
と考えるのが日課になってしまった。
けど今日は何故か違った。
教室に入ると、
私の机には擦っても擦っても取れなかった悪口の後や汚物の汚れなどがこびりついていたのに、跡形もないくらい綺麗になっていた。
教科書も新品が積まれており、無くなっていた体育館シューズも私のサイズで新品が置かれていた。
クラスの人たちがそんな事してくれるわけないし…
と考えていたら、教室のドアがノックされた。
そこで私はピンと来た。
毎朝私が登校してるから確認しに来てくれるオッパ。
言い残すと、先輩は手を振りながら自分の教室に戻っていった。
私はほんとに周りに恵まれてる。
ありがたいと思わなきゃ。
next.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。