昔は違った
今みたいに顔を隠すようなことはしていなかった
前髪も切られていて、眼鏡なんてかけていなかった
でも中学の時がきっかけで私は自分の顔を隠すようになった
~過去回想~
私の髪は薄い青色
そして、片目だけ髪と同じ色
片方は黒い目、もう片方は青い目、つまりオッドアイ
その目をよくいってくれる人はいなかった
これは地毛だ
染めたらそれこそ校則違反
だから私は何も気にしないことにした
この子はクラスでも女王のような存在だ
逆らえば殴られるだけでは済まない
仕方なく私はついていった
どうみたら私が調子乗ってるように見えますかね?
目ぇ大丈夫ですか?
この世は理不尽だ
ただ目がオッドアイってだけで、
ただ髪の色が人と違うだけで、
いじめを受ける
相談できる友達も、家族さえいなかった
唯一私の相談できる場所は
お隣さんだった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。