第2話

あなたへの『ありがとう』#1
26
2020/08/29 13:36
   私は死にたいと思っている。
   だって、私が生きていたら、みんなに
   迷惑がかかるから……
   いつもそうだ。私の周りでは
   不幸なことしか起きない。
   3歳の頃に両親を事故で亡くし、
   7歳の頃に癌で祖父が死に、
   8歳で祖母の寿命が尽き、
   12歳で親友が交通事故で昏睡状態、
   1ヶ月前幼馴染も死んだ。
   私は疫病神だ。
   私と関わった人はみんな死ぬ………
   そして、14歳の今日この時、
   私は自らの命も絶とうとしていた。
   ここは30階建てのビルの屋上。
   風が心地いい。普段ならここは
   立ち入れないが、
   今日はなぜか開いていた。
   私にとっては好都合だ。
   ここから落ちたら痛いのだろうか?
   怖いのだろうか?
   そんなことを考えながら私は
   フェンスをよじ登る。
   そして、遂に登り切った。

美香「来世はいい人生が送れますように…」

   そう呟いて、私は飛び降りようとした。
   が、その時、後ろから声がした………

??「なにしてるんだ…お前」

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