いつも通り目を覚ましたとき、鉛のような体の重さに対して俺の口角は上がった。
ついにこのときが来たんだと。
半年もの間、ただ好きという感情であなたの血を飲んでた訳じゃない。
じゃあ他に何の目的があるかって?
__________人間になるためだ。
申し訳ないが最初はあなたに好意なんて無かった。
特別な血を持つ人間を探すためだけにこの世界に降り立ち、他とは比べ物にならない匂いを放つ人間があなただった。正直それだけだった。
恐怖で震える彼女の血を飲んだとき、その初めての感覚に身震いしたのを覚えている。
一切の手加減をせず、好きなだけ飲んだ。
そうしてふらふらと力の抜けていくあなたを持って帰ってきたんだ。
誘拐して、監禁した。
それなのにあなたは逃げようとしなかった。
それどころか誰かに必要とされることに感謝をして、むしろ俺に縋り付いてきた。
調子が狂ったんだ。
"ユンギくん"
そう呼ぶ声がいつの間にか大好きになって、気づいたら俺が依存していた。
何に対しても彼女優先になり、彼女の悲しむ顔を見るのが苦しくなった。
俺が熱を出しただけで半泣き。
そんなの今すぐにでも襲いたい。
だがあと数日、俺は我慢しなければならない。
暫くすると高熱と激痛に襲われるらしい。
でもそれを乗り越えれば人間になれると、既に人間になったジニヒョンが言っていた。
だがひとつ問題があった。
これもまたあなたに言えていないんだ。
なんなら出会ったときにすぐ言うべきだった。
ごめんなさい。自分では説明できません。
ジニヒョンとのカトクを開いた俺は、携帯の前で土下座した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!