ユンギくんと出会って半年が過ぎた。
今思えば不思議だが、1度も体調を崩さなかったユンギくんが熱を出した。
私が風邪をひいて執事の方がお世話してくれたことはあったが、私が誰かを看病した事なんてなく、正直とても焦っている。
それに対して執事の方はとても落ち着いていた。
"看病に関しては私にお任せ下さい"
と朝食を運んできてくれて、なんだかいつもと違うのは私だけみたいだ。
朝食後、私はユンギくんが寝ている寝室の扉をノックした。
"コンコン"
「ん……はぁい」
『あの、あなたです』
「うん、入っておいで」
扉を開けると、少し辛そうにベッドから体を起こすユンギくんが居た。
そこにいつもの優しい笑顔は無い。
『ユンギくん……』
「ごめんね、心配させてしまって」
『ううん。ユンギくんいつもすごく頑張ってるから…』
「そんな事ないよ。ほら、いつもの笑顔は?」
眉間に皺を寄せながら無理に笑うユンギくんは本当に辛そうだ。
「今日は一緒に寝られないね、あなた」
『えっ、どうしてですか?』
「これが風邪だったらどうするの。俺は移したくないよ」
『でも、』
「あなた、良い子でしょ?今日は俺の言うこと聞いて」
そう言って頭を撫でられれば、反抗する余地もない。
仕方なく頷くとユンギくんの辛そうな顔が少しだけ緩んだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。