第5話

いつもすごく頑張ってるから。
2,797
2020/04/19 15:15 更新




ユンギくんと出会って半年が過ぎた。
今思えば不思議だが、1度も体調を崩さなかったユンギくんが熱を出した。
私が風邪をひいて執事の方がお世話してくれたことはあったが、私が誰かを看病した事なんてなく、正直とても焦っている。
それに対して執事の方はとても落ち着いていた。

"看病に関しては私にお任せ下さい"

と朝食を運んできてくれて、なんだかいつもと違うのは私だけみたいだ。
















朝食後、私はユンギくんが寝ている寝室の扉をノックした。



"コンコン"

「ん……はぁい」

『あの、あなたです』

「うん、入っておいで」



扉を開けると、少し辛そうにベッドから体を起こすユンギくんが居た。
そこにいつもの優しい笑顔は無い。



『ユンギくん……』

「ごめんね、心配させてしまって」

『ううん。ユンギくんいつもすごく頑張ってるから…』

「そんな事ないよ。ほら、いつもの笑顔は?」



眉間に皺を寄せながら無理に笑うユンギくんは本当に辛そうだ。



「今日は一緒に寝られないね、あなた」

『えっ、どうしてですか?』

「これが風邪だったらどうするの。俺は移したくないよ」

『でも、』

「あなた、良い子でしょ?今日は俺の言うこと聞いて」



そう言って頭を撫でられれば、反抗する余地もない。
仕方なく頷くとユンギくんの辛そうな顔が少しだけ緩んだ。





プリ小説オーディオドラマ