今日はお客さんが来るらしい。
ユンギくんの先輩だとか何とか。
どうやら私とも話したいらしく、予定は入れないでくれと、ユンギくんのお願いなら聞かない訳が無かった。
"またお呼びしますのでそれまではお部屋でお休み下さい"
これまたいつも通りの落ち着いた声だった。
執事さんの言うことを聞いて暫く部屋で寛いでいると、誰かが廊下を通った。
執事さんの声ともうひとつ、聞いたことの無い声がして、その声がお客さんのものだとすぐに分かった。
それからすぐに扉をノックする音が聞こえて、私は返事をした。
声はいつもより小さかった。
"失礼します。あ、もう準備は出来てますね?"
執事さんは少し笑っていた。
何もかも見透かされているようだ。
"そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。力を抜いてください"
そんなことを言われたら余計緊張してしまう。
ゲストルームまで案内されて、立ち止まった執事さんは私の方を見てまた笑った。
"ではごゆっくり"
ゆっくりと開かれた扉の先に、ひとりの男の人が見えた。
私が一歩踏み入れると、その姿が緊張をあからさまにさせていたようで、その方は立ち上がって微笑んだ。
「こんにちは」
『こんにちは…』
「とても緊張しているようだね(笑)」
『ごめんなさい…でも緊張しなくていいと、執事さんに伺いました』
「うん、緊張なんてしなくていいよ。ほら、座って?」
その方はキムソクジンさんというらしい。
ジニオッパって呼んでもいいよ?と言われたが、私はジンさんと呼ぶことにした。
「さて、今日は僕が何をしに来たか、あなたちゃんは聞いてる?」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。