トロッコに乗ってお客さんの近くに行った時
ガタンとトロッコが揺れ
運悪く私はバランスを崩して地面に叩きつけられた
近くのお客さん達はザワザワと不安そうに私を見る
「大丈夫、ビックリさせてごめんね」
すぐ起きてみんなにそう告げて
トロッコによじ登った
曲を歌い終え裏にはけると
ソロ曲を歌ってるジェシー以外が待っていた
北斗「お前落ちたって本当?」
「さっきね、トロッコから落ちちゃった」
ヘラヘラ笑いながら言うと
ほっくんの顔が怖くなる
北斗「どうやって落ちた」
「自分でバランス崩しちゃって」
慎太郎「ガタンてなるよってリハでやったのに?」
「忘れてた」
そういえばやったなとうっすら思いだした
「あ、お客さんから押されたとかそういうのじゃないからね?本当に私がバランス崩して落ちただけだから!」
次の曲の準備をしながらみんなに言うと
みんなは納得できない様子だったけど
次の準備に取り掛かった
そしてMCの時間
樹「え、何座ってんの?」
「いいんですよー。座ってるのが正解ですよー。」
いつものボケの渋滞を笑いながら見ていたら
ジェシーが私を後ろから抱きしめてきた
イヤモニを外すと
ジェシー「大丈夫?」
とささやく声
うん。と首を縦にふると会場から悲鳴があがった
慎太郎「なに?!」
樹「誰か殺されたのかと思った!何!」
ジェシー「違うんだよ、こいつ俺の後ろのトロッコでさ、両手離してっから危ねぇなって思ってたら急にいなくなったからさ」
大我「あ、1人で落ちたんだ」
樹「さっきね裏はけた時にあなた囲んでなんで落ちた!ってみんなでね」
「大男たちがこわい顔して寄ってくるから怖かった」
ジェシー「それほどあなたが大事なんだよ」
優吾「そうなのよ、心配なのよ」
「みなさん。これが紅一点ですよ」
北斗「やかましい。荒れてしまえ」
MC中に事故を笑いに変えられてホッとしながら
後半戦に望んだ
大我「あなたが落ちると危ないから一緒に乗りまーす」
「「はぁ?!」」
またトロッコに乗る時に
大我ちゃんにしっかり抱かれて
私は思う存分両手で手をふれました
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。