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第20話

*

雨もしとしと弱まり赤く空気を震わすであろう夕陽が障子の膜を染める。
障子一つ一つ似たようで全く違うグラデーションで部屋の中に光をさし込ませる。濃い赤から黄色、影と重なる所は薄い紫と。
何時の日だったか。
夕陽は何色かと聞かれ『オレンジ』と答えたことがある。クレヨンで塗りつぶすのもオレンジだったから兄様に答えた。
するとニシシッと笑って手を引かれた。右手に繋がれた兄様の手は大きく包み込まれていたのを覚えている。もうひとつ覚えているのは、
丘の上で眺めた夕陽だった。
陽の光が眩しい白から黄色をだんだんおびてオレンジに染まり赤へと移り変わる。雲を薄紫に染め村を照す。
とても綺麗だった。
とても美しかった。
とても淡く儚かった。
溢れだし、頬を濡らした。
あまりにも、あまりにも美しかったから。全て忘れたかのようにじっと目をそらさなかった。忘れないように。焼き付けるように。
その願いはかなった。
忘れない。忘れられない。



忘れさせてくれない。




ス――――――――――――――ッ
沖田
失礼しやす
あなた

・・・・・・・・・・・・・・

目をぱちくり瞬きをした。
えっ何、足音した!?←
あなた

・・・・えっと、おき…た、さんでしたよね

沖田
夕食を持ってきやした
後、これからアンタの世話するんで



oh←
確か幹部の方にいらした方だったはず。
ヤバいかな、ヤバいよね。昼頃も副長さんに持ってきて貰ったのに幹部をこき使うような絵面じゃん。
山崎さん帰って来て。カムバック←
あなた

そうでしたか
わざわざありがとうございます

一応形ばかりの礼を述べる。
あなた

あの、戻られ無いのですか

夕食を受け取るのはいいが陣取られ目の前に座られる。
えっ、食べずらいです。
沖田
気にしないでくだせェ
ヤバい。どうしよう。
大人しいキャラなのに崩壊しているよ。どうした私←
沖田
見られたら不味いものでもあるんですかィ
あなた

いえ、山崎さんもあまり長居はされない方でしたし、副長さんに限っては部屋の前においているので

貴方が珍しく不思議で
そう一言いい手を合わせる。
いただきます、箸をさばの味噌煮に伸ばす。屯所(真選組)は結構和食中心だと思う。朝も秋刀魚の塩焼きだったし魚介類多いし。
そういえば、沖田さんと会うのは2回目だっけ。
最初に会ったのは、真選組に来て近藤局長に客室で紹介された時。それからご無沙汰だった。
まぁ、引きこもりと同類だしね。
好きでやっている訳じゃないけど←
沖田
綺麗な食べ方をしやすね
あなた

ありがとうございます

カタッと箸を置き手を合わせる。
半分も食べれていないが上出来だろう。
沖田
親の教育がしっかりされていやすね
あなた

両親というより兄様でしょうか
学問も兄様が指導してくださいましたし