春、四月。
3月の終わりには、まだちっちゃなつぼみだった
桜が、今いっせいに咲いて朝の空気をピンク色に
そめている。
ハート形の桜の花びらがくるくると風に舞って、
伸ばした手のひらに落ちてきた。
太陽がキラキラと光り、学校へ向かう皆の背中を
おしている。
天気のいい朝が、私は大好き。なにかいいことが
起きそうな気がするから。
目の前を歩く私より背の高い人達は、あと1年で
卒業してしまう3年生かな。3年間この通学路を歩
いてきた3年生。その背中がとてもまぶしい。
「私もあと1年であんな風になれるかな?」
なんて弱々しい独り言を呟いてみたりして。
新学期をむかえて、私は高校2年生になった。
あと2年で高校を卒業するけど、まだ知らないこと
がいっぱいある。
勉強も、友達との関係も、そして恋する気持ちも
難しいけど、もっと知りたいって思うことばかり
増えてしまった。
高校2年生。
そろそろ恋をしたくなる年齢です━━。
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読んでいただき、ありがとうございます!
次も読んでいただけると嬉しいです( ´罒`)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。