第6話

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2019/09/30 12:12
夜中の2時でも、光り輝く町











ブーンと鳴り響くバイクと車の音










四月の中旬といってもまだ夜は肌寒かった










「ひっひっ笑」











隣の彼女を見るとなんだか楽しそうだった










廉「いきなり連れ出してしまってすみません」












「むしろ、全然です。お店を飛び出すとか、抜け出すとか、初めてて、」











と言うと彼女は笑顔で









「楽しいです!とっても幸せです。」













幸せなんて、久々に聞いた気がした










廉「ほんまですか?よかった〜」











「あの、お名前聞いてもいいですか?」














廉「あっ、すみません、連れ出しといて、名前名乗ってなかったなんて」









廉「永瀬廉です」











「永瀬さん」











廉「はい」











「永瀬さんは私より先輩なので、敬語とかやめてください!」












廉「じゃあ、小花さんも敬語やめてください」














「ふふっ笑いいんですか?」













廉「いいですよ笑」













「じゃあ、お言葉に甘えて」













「永瀬くんは、関西の人?」















廉「もともと、大阪に住んでて、そこから関西弁が馴染んでって感じで、」













「関西弁いいよね」












廉「そうかな?」











「私、すき」













真っ暗な空の下、公園のベンチで2人で座っている











廉「すき、か、」















「バンドで、何やってるの?」

















廉「一応、ギターとボーカルやってる」
















「え!すごい!」











廉「そんな驚くことないやろ笑」













「永瀬くん絶対いい声して歌うよ、早く見に行きたい」













廉「早く来てほしい」



















彼女と話す時間はあっという間だった



















「私、そろそろ、」















廉「こんな遅い時間まで付き合わせてごめん、送ってく」














「大丈夫だよ」













廉「俺車できとってん、すぐやからまかせて」















「ほんとに大丈夫だよ」
















廉「女の子一人で帰らすわけにはいかへんやろ」











「で、でも、」














廉「乗って」
















「し、失礼します」
































彼女の家は案外近かった、












もうお別れかって思って寂しくなる














「永瀬くん、ありがとう」


















彼女が微笑む




胸が苦しくなる
















咄嗟に彼女の腕を掴んで引き寄せる












「ながせ、く」











彼女の唇に自分の唇を重ねた











ふわっと彼女の甘い香りがする










チュッチュっと何度も重ねる












「はあっ」










と彼女が苦しそうに息を吸う















でも止められない、止めたくない、


















その時、彼女が俺の胸板をポンポンポンっと叩いた













そこで気がついた、














ハッと唇を離す

















廉「ごめん、」









無理矢理掴んで無理矢理した









最低やろ俺、












「はぁっ、大丈夫です」














廉「苦しかったやろ?」



















そう言うと彼女は、恥ずかしそうに下を向きながら





















「短めのキスが好きなんです」














と言って背伸びをしながらチュッとキスをしてから俺に背を向けて走り去った
















廉「それはズルいやろ」































俺、


















彼女が好きや

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