第6話

five
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2020/01/13 08:44








「菊池先輩ごめんなさい遅くなりまし……た…」










雑用を任され少しだけ遅れてしまい










早足で先輩が待つ場所へと向かったはいいものの










そこには中島先輩の姿も。










『まじごめん……ついてきちゃった…』










『あなたちゃん。どういうこと?

他の男と二人きりでカフェ?あのね。そんなのね。

いくら菊池でも俺許さない。お持ち帰りされたらどうするの?』










意味のわからない言葉がつらつらと。










別に来てもらっても構わない。でも緊張するというか……










『俺はさ?あなたちゃんに嫌われるよって言ったんだけど

こいつが菊池と二人きりでお茶とかあなたちゃんの親が

可哀想でしょ?!なんて意味わかんねぇ事言ってきてさぁ……』










中島先輩が一人でブツブツ言ってる間に










私だけに聞こえるように菊池先輩はそう言った。










「先輩…変わってますね」










『変わってる……ただの愛が重いジェラ男だな。』










『ねぇ!!どこ行く?!最近新しく出来た駅の近くのカフェは?!』










さっきのテンションとはうってかわって










行く気満々の先輩。










「先輩。一旦落ち着きましょ?」










『俺はお家デートでもいいよ??』










「菊池先輩もいるのでデートじゃありません。」










『……菊池来んな!!しっしっ!!』










『いやいやいや。それはないだろ?俺が約束してたの!!』










『俺はあなたちゃんと初めて会った時から

毎日放課後デートすることを誓ってたの!!』










『そうなの?』










「してません。」










『あなたちゃん酷い!!忘れたの?!』










「いや忘れたも何もしてませんから?!」










『……明日は二人きりがいい。』










「……明日は部活ですよ先輩。」










『あなたちゃん絶対タオル渡して?』










「はい。」










『……おい。中島。カフェ。』










『駅の近くのカフェは?って言ったよ?』










『遠くね?』










『全然』










『ん。ならいいや』










前を歩く先輩達を見ると










二人とも少しだけ震えている。










今の先輩達の服装は制服だけ。多分ヒートテックとかも着てない。










「……先輩。寒くないですか?」










『『大丈夫。』』










そう言われても体は震えたまま。










この2人が風邪をひいて私のせいにされては困る。










「先輩。これ。」










私の手の上にはカイロ。










今日は寒いって聞いたから予備で沢山持ってきた。










『いいよ。あなたちゃん寒いでしょ?女の子は冷やしちゃダメ。』










『俺ら男だぜ?笑 大丈夫。』










「でも震えてますし風邪ひかれたら困ります。」










『……じゃあ菊池それ2個貰って。』










「先輩は?」










『俺はこう。』










先輩は私の手を取りポケットの中に繋いだままの手を入れた。










『ね?あったかいでしょ?』










先輩の手の温度はさっきまでポケットに手を突っ込んでいたからか










ちょうどいいあたたかさ。










『菊池は?寒くない?寒いなら俺の片手貸してやろうか?笑』










『いらねぇよ。俺はあなたちゃんの空いてる方の手とやります。』










『え。ねぇやめて。』










『あったかいんだろ?あなたちゃんの片手寒いよォっつってんもん。』










「……さむいよぉっ…」










『俺がやる。菊池はダメ。』










『どうやってやんだよ。笑』










『……あなたちゃんを抱っこして…いやでも』










『できません。諦めろ。』










『菊池やらないでよ!』










『はいはい。笑』










「先輩。」










『『なにー?』』










「もう駅とおりすぎました。」










『……え。まじ。』










「カフェあっちです。」










『うわやったわ~……中島やったわ~……』










「うわやったわ~……先輩やったわ~……」










『んもっ!あなたちゃんはいわなくていいの!!

口塞ぐよ!!!』










『まだカフェ入ってないのに甘いんですけど』










『ほら!戻るよ!!』










「『はーい。笑』」










いつでもカッコよくて余裕がある先輩。










でもおっちょこちょいな部分もある。










そこに惹かれるんだろうなぁ。










ギャップ萌え。その言葉は多分先輩のために作られたものだと思う。










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