第9話

eight
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2020/03/13 03:12








9時45分頃、駅前に着いた。







さすがにまだいないだろうと思い駅のシンボル、噴水の前で







スマホをいじっていると







先輩からLINEが来てることに気づいた。







" 今日、俺誕生日なんだ。 "
" だから好きな子と過ごしたくて。 "








……やばいプレゼント用意してないどうしよう。







そんなことを思いながら先輩から来たそのメッセージを







見つめる。







そして、そのトーク画面に写真が送られてきた。






その写真は噴水の前でスマホを見つめる私の写真。







びっくりして周りをキョロキョロ見渡すと







その辺の人がザワザワと騒いでいるのが聞こえた。







先輩だ、







一般人とは思えないほどのスタイルと顔。






そして性格。







私めがけて先輩は歩いてくる。






『ごめん、待った?』



「いや、先輩私より先に来てましたよね?」



『うん。9時にはついてた。笑』



「本当ごめんなさい……」



『いいよ、俺が勝手にやってるだけだから。』



「お誕生日。おめでとうございます。」



『ふふっ、なんか照れるね。ありがと。』



「……ちょっと周りがザワついてますね。先輩カッコイイから。」



『…待って、もっかい言って。』



「ちょっと周りがザワついてますね。」



『そっちじゃない!!』



「先輩カッコイイから。」



『………やば…/////』



『あれ彼女かな…?』



『照れてる可愛い……』



『モデルさんとかなんかかな?』



『惚れた……』



『…あのっ!すいません!!お名前なんて言うんですか?!』



『あ…えっと……』



『写真撮ってください!!』



『私も!!』



『私も撮りたい!!』










そう至る所から次々と私も私もと







声がまう。







このままじゃヤバい、どうしよう。










「……すいませんっ!彼、私のなんで辞めていただけませんか?」



『…何誰。』



「だからっ……その……せんぱ…健人は私と今日出掛けるので
邪魔するの辞めてください…」










徐々に声がちっちゃくなってしまう自分が情けなくて







先輩を助けれない無力な自分にイラついて







俯いて泣きそうになってるとき







『ごめんね、今日久しぶりのデートなんだ。
また今度会えたら名前教えてあげるし写真も撮ろうね。』










そう先輩が言うとあちらこちらから黄色い歓声が







聞こえて耳が痛くなる。







私はこういう人混みが苦手でつい、先輩の手をとって







行き先も決まってないのに走り出していた。










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