第2話

one
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2019/12/11 11:36





『ねぇ好き。』









「冗談はよしてください先輩。」

















ピピッピピッ_____










もう聞き慣れた音でまだ抜けない眠気と戦いながら










目を覚ます。










「さっきの夢…なんだったんだろう……」










顔は凄く整っていた。










先輩ということは年上か。










目はパッチリしていて輪郭もシュンとしてて。










髪の毛はふわふわとしている…のかさらさらとしているのか…










「…別に男とか興味ないしそんな気にしなくていいか。」










そう思いあまり気にしないでいた。










今日の朝ご飯はヨーグルトと蜂蜜パンでいいかな。










「頂きます。」










本当なら少女漫画みたいに










「やっばぁぁいっ!!!入学式なのに遅刻?!?!」










とか思いながらパンくわえて全速力で走って曲がり角で










今日から自分が通う学校一のイケメンとごっちんこするんだろうけど










あいにく私はそんな可愛くもないしましてやパンをくわえて走るなんて










大好きな蜂蜜パンを落としてしまいそうで怖い。










「ご馳走様でした。」










さっきから返事がないのは両親は共働きだから。










朝早くに出て夜遅くに帰ってくる。










小さい頃は一人が怖くて寂しかったけどもう慣れたものだ。










もう古くなり所々よれてる制服とはおさらば。










新しいシワひとつない制服に着替える。










スカートは案外長め。










「…3個くらいおってもいいよね。」










1回2回3回とスカートをおっていく。










そして鏡で全身を見る。










先程まで膝より15センチほど下にあったスカートの裾は










膝上10センチくらいになっていた。










「…案外こっちの方が好きかも。」










真面目。って訳でもないしスカートもミニスカの方が好き。










中学時代の頃もよくおってた。










「行ってきます…!」










鞄を肩にかけ新しい靴を履く。










扉を開ける。










ここから私の新しい生活。










高校生活が始まる。










徒歩30分の距離にある高校。










30分…意外とあるかもしれないけどダイエットにもなると思い










徒歩で行く。と親に伝えた。










「髪巻いたし前髪もちゃんとやったし…忘れ物もない。」










入学式。それはこんな私でも気合いは入る訳で。










学校に近づくにつれて同じ制服を着た同い年くらいの子が










ちらほらと見え始めて来た。










「…これが……私が行く学校。」










校庭は広く校舎は綺麗で大きい。










私は胸をドキドキさせながら校庭へと一歩踏み出した。










…けど。










「なにあの子…可愛い。」










「目デカくない?」










「足も細くも太くもない…羨まし」










「顔ちっちゃ…」










など初めて言われた言葉がずらずらと耳に入ってきた。










「あ…のっ!!お名前なんですか?!」










「ふぇっ?!…いやっ…その?!」










「あ。嫌だったら全然いいんです!!」










初めてのことで全身に凄い震えが走った。










私もこんな人生送っていいんだって。










「あなたです!近藤あなた!!!」










「あなたちゃん…ありがとうございます!!

同じクラスになれることを祈ってます!!!」










「あ、はい!(?)」










頭に無数のハテナが浮かんだがそんなこと気にしないでおこう。










校舎に向かうにつれてさっきの騒ぎがより増えて










なんだか嬉しくなる。










「一年…A組だ。」










自分のクラスがわかったらいち早く教室に向かい










席につく。










窓側の一番後ろ。










取られてなくてよかった。










ここが一番好きな席。










ピーンポーンパーンポーン_____










【もうすぐ入学式が始まります。

新入生の方は体育館へ移動してください】










放送が入った途端みんなゾロゾロと動き出した。










「あなたちゃん…!!」










「??…はい……?」










「一緒に行きませんか?!」










「いいですよ!」










「じゃあ行きましょ!!」










何故か私は男の子と一緒に体育館へ向かっている。










全員顔は整っていてざっと…7人?……くらい。










周りからは絵になりすぎてる…とか言われるけど










私は誰か知らない。










「あっ…えっと……俺佐原玲於(さはられお)!」










「俺高橋陸翔(たかはしりくと)。よろしくね?」










「俺橋口はやと(はしぐちはやと)!」










「中島らいと!(なかしまらいと)」










「牧原駿也!(まきはらしゅんや)」










「谷橋遥人!(たにはしはると)」










「愛蔵輝人!!(あいくらこうと)」










「えっと…玲於くんと陸翔くんとはやとくんと

らいとくんと駿也くんと遥人くんと輝人くんね!!

私は近藤あなたです!!あなたでいいよ!!」










「「「「「「「あなた。」」」」」」」










「何?」










高橋「なんもない。笑」










「そっか(?)」










「これから入学式を始めます……」










そこから担任の発表。










校長先生のお話など沢山のことが終わった。










そして児童代表の言葉。










「児童代表の言葉。2年A組中島さんお願いします。」










『はい。』










そして舞台へとあがっていった。











「待ってイケメン……」










「やばいっ!!!惚れた!!」










「好き」










「無理……」










など女子が騒ぎ始めた。










でも私はそんなのどうでも良くて










どこか見覚えがある顔だった。










あったことなんてないはずなのに。










『はじめまして1年生のみなさん。

生徒会長の2年A組中島健人です。

新しい制服に身を包み新しい生活をここから

俺達2年3年。同級生の皆さんと楽しくすごしましょう。』










そう話し終えたあと生徒会長。中島健人と目が合った。










いや。正確にはこっちを見た。










『そこの姫。』










「玲於男の子なのに姫って言われてるよ。」









佐原「いやどう考えてもあなた。」










「何言ってんの玲於。そんなことな…」









そんなことない。そう言おうとしたらいた。










生徒会長。中島健人が目の前に。










『姫。俺一目惚れしました。付き合ってください。』










「…はい?」










中島「ぶふっ。笑」←健人くんじゃないよ。なかしま。










自分でも思ったどんだけ間抜けなこえがでたのかと。










『返事は?』










「返事と言われましても…!!!」










愛蔵「めっちゃ焦ってんじゃん。笑」










「…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」










『どうしたの?姫。』










思い出した。この人。










今日の朝。夢で見た。










気にしないことにしたから完全に忘れてた。










「今日の朝……夢に出てきたこの人…」










高橋「まじで言ってんの」










「うん…」










『俺の夢見てくれたの?嬉しい。』










「あの……お返事の件なんですが……ごめんなさい」










『まぁそうだよね。でも絶対好きにさせるから♡』










「…はぁ……(?)」










『ありがとうございました。』










この人は一体何を企んでいるのだろうか…










誘拐しようとしている…?










ただのプレイボーイか?










謎は深まるばかり……










牧原「何難しい顔してんの。てか話聞いてた?

教室戻るよ!!」










「あぁ…うん」










橋口「いやぁ…入学式で告白とは……

イケメンだなぁ……あの人。」










谷橋「じゃあはやともすれば?来年。笑」










橋口「お前…死にたい?」










これから私は一体どうなるのでしょうか……










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