「キャラメルフラペチーノのホットで。」
『俺もそれ!!』
『俺ブラックガムシロ1ホット』
「えっと……キャラメルフラペチーノのホットを2つ。
あとブラックのホットでガムシロひとつでお願いします!」
店員「お会計…1524円となります。」
「……意外とするな。財布…財布…」
『あなたちゃん?席行くよ?』
「でも…」
先輩の方へ目を向けるともう商品を持っていて
また店員さんもお会計を済ませている。
この財布を探してる時間で何が起きた?
たった数十秒の時に。何が起きたんだ??
『中島払ってくれた((ボソッ』
中島先輩に聞こえないよう菊池先輩が囁く。
また。まただ。
前私がお弁当を忘れたと言った時も購買で買ってきてくれた。
『あなたちゃんはこっち。俺の隣。』
「あ。はい」
私が菊池先輩とお茶をする予定だった理由は
先輩のことで相談があったから、だ。
大抵菊池先輩と二人きりの時は先輩の話をする。
でも今日は別。私の隣で甘いキャラメルフラペチーノを飲んでるだけで
可愛くて、かっこいい、絵になる中島先輩がいる。
『なぁに、そんな俺の事見つめちゃって。』
優しい笑顔で優しい声で、そう、先輩は
私を占領していくんだ。
『俺のこと、好きになっちゃった?笑』
そうやって優しく笑いかけてくれる先輩とずっと一緒にいたい。
恋愛偏差値2の私がこの気持ちに気づくのはもう少し、後のこと。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。