第23話

坂田からの贈り物。
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2020/11/13 03:00
志麻side
退院してから、まっさきに坂田さんの元に向かった。

こんなことがあったあとは決まって落ち込んでる。
坂田 優
坂田 優
志麻くん…
月崎 志麻
月崎 志麻
退院しました。
月崎 志麻
月崎 志麻
もうしばらくは、ここで働くことにします。
坂田 優
坂田 優
…!
月崎 志麻
月崎 志麻
改めてよろしく…
お願いしますを言う前に、坂田さんが抱きついてきた。
勢いで後ろに倒れる。
月崎 志麻
月崎 志麻
さ…坂田さ…
坂田 優
坂田 優

ありがとう…ありが…とう…
月崎 志麻
月崎 志麻
…ふふっ
坂田 優
坂田 優
あ、そうだ。
月崎 志麻
月崎 志麻
坂田 優
坂田 優
志麻くん、はい。
綺麗につつまれている何かを坂田さんが俺に渡す。
月崎 志麻
月崎 志麻
これは?
坂田 優
坂田 優
開けてみて。
言われたとおり開けてみて、俺は凍りついた。
月崎 志麻
月崎 志麻
ナ…イフ?
坂田 優
坂田 優
あげる。
月崎 志麻
月崎 志麻
これで…何するの?
坂田 優
坂田 優
そのうちわかるよ。
そう言って坂田さんは鼻歌を歌いながら去っていってしまった。
月崎 志麻
月崎 志麻
俺はナイフをつつみ直し、自分の部屋の引き出しにしまって鍵をかけた。
月崎 志麻
月崎 志麻
はぁ…はぁ…はぁ…
とにかく今は、そのナイフの存在を消してしまいたくて、忘れてしまいたくて、俺はベットにくるまった。
少し…寝れば、忘れるはずだ。
だから…
坂田side
なんでナイフなんてあげたか、疑問に思うと思う。

全ては彼に『幸せ』をあげるため。
そのための作戦なんだ。
志麻くん…悪く思うなよ…

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