第22話

君の幸せを望むから。
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2020/11/05 11:36
坂田side
黄百合 千璃
黄百合 千璃
志麻。
月崎 志麻
月崎 志麻
千璃!!!!
二カーッと笑いながら話す2人を見て、胸がキュッとなった。
浦田 渉
浦田 渉
…なんか、嬉しそうだね。志麻。
坂田 優
坂田 優
うん。
『彼が嬉しいならいい。』
思ってもないのに。そう心の中で言い続けないと、俺が俺じゃなくなってしまう。
浦田 渉
浦田 渉
俺たち、帰る?
坂田 優
坂田 優
そうしようか。邪魔しちゃ悪いものね。
坂田 優
坂田 優
志麻くん。俺とうらさん帰るね。
月崎 志麻
月崎 志麻
え…あ、うん。
浦田 渉
浦田 渉
また来るね。志麻。
坂田 優
坂田 優
じゃあな
月崎 志麻
月崎 志麻
うん。じゃね。
コツコツと静かな廊下に響く足音。
坂田 優
坂田 優
あ、忘れ物した。
浦田 渉
浦田 渉
とってきな。
来た道を戻り、志麻くんの病室前につく。
坂田 優
坂田 優
(ちょっと開いてる…?)
月崎 志麻
月崎 志麻
ちょ、千璃!
黄百合 千璃
黄百合 千璃
このままにさせてや。
(何してるんだ?)
俺はこっそり中を覗いた。
坂田 優
坂田 優
…ッ!
そこには…
抱き合う2人。
それを見た途端、俺の中で何かが切れてしまった。
忘れ物を取りに行くのもどうでもよくなり、その場を離れた。


彼の心の中に、俺はいないのだろうか。

いや、あんな酷いことをしておいて、まだ想ってくれてるかもと思うのもどうかと思う。

もう、この手しかないのかもしれない。
































































彼の幸せを望むなら…




















































俺が…






















































































『悪』にならなくてはいけない。

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