坂田side
俺は志麻くんに抱きついた。
ズキンッ
なんで…胸が痛い…
志麻くんが荷物を持って部屋に入っていった。
ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ
ずっとずっと胸が痛い。
あ…俺ほんとに志麻くんのこと好きなんやな。
女の子じゃなくて、志麻くんが好きなんやな。
だからこんなに胸が痛いんやな。
志麻side
坂田さん、朝なんか変だったなぁ。
俺なんかしちゃったのかな。
後で聞いてみるか〜。
トントントン
ギィィ。
瞬き1つの間に、坂田さんの手が俺の顔に添えられて、その柔らかい唇が俺の唇に重なった。
腕を掴まれ、そのままベットに押し倒された。
『俺、もう泣かへん!
いじめられてもちゃんと戦う!』
「そうか〜!よかったよかった!」
『でも!』
「ん?」
『俺が今の志麻くんと同じ年齢になるまで泣かんかったら、志麻くん俺と結婚して!』
「それは嬉しい話やな〜!
ほな、よろしく頼むわ!」
『本当!?よし、俺頑張る!』
坂田さんの顔が近くなる。
俺は思わず押し返した。
ダメなんだ。坂田さん。
俺は…君を愛しちゃいけないんだ。
思わず口に出たセンラという名前。
坂田さんが訝しげに俺を見下ろす。
坂田さんの口が俺の耳元で囁いた。
俺の手の指の間へ、交互に坂田さんの指が入ってく。(恋人繋ぎですね)
額に唇があたる。
怖い…愛してしまいそうで怖い…
坂田さん…でもダメなんだよ…
俺は君を愛しちゃいけない。君の未来を壊すことになるから。
ごめん。ごめん、坂田さん…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。