第16話

罪と罰
290
2020/10/09 11:59
志麻side
黄百合 千璃
黄百合 千璃
志麻。こんな夜、ごめんな。
月崎 志麻
月崎 志麻
いいよ。千璃のお願いだもん。
黄百合 千璃
黄百合 千璃
じゃあ…
月崎 志麻
月崎 志麻
うん。
千璃に愛されていると、センラとの思い出が蘇る。
黄百合 千璃
黄百合 千璃
志麻…
折原 センラ
折原 センラ
『志麻くん…』
わかってる。わかってるの。千璃とセンラが別人なのは。でも、どうしても思っちゃうの。もしかしたら…センラかもって。
黄百合 千璃
黄百合 千璃
大丈夫?
月崎 志麻
月崎 志麻
全然大丈夫。
黄百合 千璃
黄百合 千璃
チュッ
月崎 志麻
月崎 志麻
ンッ…
黄百合 千璃
黄百合 千璃
無理しないでね。明日も仕事でしょ?
折原 センラ
折原 センラ
『無理すんなや。明日も学校やろ?』
月崎 志麻
月崎 志麻
ッ、ふっ…
黄百合 千璃
黄百合 千璃
どうした?大丈夫?やっぱり痛かった?
月崎 志麻
月崎 志麻
違う…違うの…
黄百合 千璃
黄百合 千璃
やっぱり、俺がセンラさんにそっくりだから?
月崎 志麻
月崎 志麻
ごめんなさい…いっつも泣いちゃって…
黄百合 千璃
黄百合 千璃
大丈夫。写真見せてもらったけど、そっくりだもの。思い出して泣いちゃうのは当たり前。
月崎 志麻
月崎 志麻
ありがとう…千璃。
黄百合 千璃
黄百合 千璃
今日は終わりにしようか。送るよ。
月崎 志麻
月崎 志麻
うん。
千璃と手を繋ぎ、桜財閥家前に来る。
黄百合 千璃
黄百合 千璃
じゃあね。また今度連絡する。
月崎 志麻
月崎 志麻
うん。バイバイ。
小さく手を振ると、俺は家の戸を開けて中に入る。
と…
坂田 優
坂田 優
志麻くん。
月崎 志麻
月崎 志麻
ビクッ

さ…坂田さん…
坂田 優
坂田 優
(グイッ、ギュッ)
月崎 志麻
月崎 志麻
ンアッ…
急に抱きしめられ、変な声が出る。
坂田 優
坂田 優
…知らない匂いがする。
月崎 志麻
月崎 志麻
え?
俺から離れて、腕を組む坂田さん。
坂田 優
坂田 優
百合…かな。甘ったるい匂い。うらさんはこんな匂いじゃない。
月崎 志麻
月崎 志麻
さ…坂田さ…
坂田 優
坂田 優
誰?君に触れたクソ野郎は。
俺の顔を見据え、低い声で言う。
月崎 志麻
月崎 志麻
違う…違うの…
坂田 優
坂田 優
何が?
月崎 志麻
月崎 志麻
違う…俺は…何も…
坂田 優
坂田 優
は?
坂田さんが俺の腕を掴んでぐいっと引っ張る。
坂田 優
坂田 優
志麻。わかってるんだ。俺。
でも、正直に言ってくれるだろうと思って優しく言ってたんだけど…
坂田さんが俺を睨みつけた後、無理やり引っ張ってどこかに連れていく。
月崎 志麻
月崎 志麻
坂田さん…!痛いっ…!
バタン
月崎 志麻
月崎 志麻
…!
坂田 優
坂田 優
ここで、反省してもらうから。
連れてこられた部屋には、ベット以外何もない空間。
月崎 志麻
月崎 志麻
ここ…
坂田 優
坂田 優
うん。君がいない間に作らせた。桜財閥嫡男ともなれば、こんなの簡単な事だよ。
月崎 志麻
月崎 志麻
あ…あ…
俺はベットの方に押され、その勢いで倒れ込む。
起き上がろうとすると、坂田さんに押さえつけられた。
坂田 優
坂田 優
志麻。
月崎 志麻
月崎 志麻
坂田さ…やだ…やだぁ…!
坂田 優
坂田 優
知らないから。そんなの。
カチャカチャと音を立てながら俺のベルトが外れる。
月崎 志麻
月崎 志麻
坂田…さん…!
坂田 優
坂田 優
ピタッ
月崎 志麻
月崎 志麻
…?
坂田 優
坂田 優
やめた。
志麻くんこの部屋に閉じ込めるわ。
月崎 志麻
月崎 志麻
え…
坂田 優
坂田 優
1週間出ちゃダメ。
食べ物もあげない。水も何もね。
坂田 優
坂田 優
真冬だけど、寝る時にかけるものもあげない。
罰だから。
坂田さんが立ち上がってドアを閉めた。
月崎 志麻
月崎 志麻
坂田さん!!!!
どんどんドアを叩くがあかない。
鍵をかけられた。
月崎 志麻
月崎 志麻
坂田さん!!!!坂田さぁん!!!!
呼んでも呼んでも、鍵が開けられることはなかった。

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