坂田side
今日は俺の卒業式!!!!
志麻くんも来てくれるんや!
生徒会長の言葉、成功させんと!
『え〜続きまして、生徒会長の挨拶です。坂田優さんよろしくお願いします。』
順調に読み終え、一例してから、志麻くんを目で探す。
体育館の隅の方で立ってる志麻くんを見つけニコッと微笑む。志麻くんが顔を上げ、ニコッと微笑む。
だが、俺は違和感を覚えた。
いつもの彼の笑顔じゃないんだ。
青い顔して、苦笑いしてる感じ。
どうしたんだろうと、俺はステージから降りて、こっそり志麻くんの元へ向かう。
志麻くんは俯いたまま服を握りしめて、涙を堪えていた。
後ろの男が志麻くんに痴漢してたんや。
ついに志麻くんは耐えられなくなったのか、体育館から出ていった。
男も後をついて行く。
なにか…起こりそうやな…
俺もこっそり後をついて行った。
〜トイレ〜
男と志麻くんはこの中に入っていった。
聞き耳をたててると、なにか聞こえた。
普通は出すことのない、卑猥な声。
『んんッ…♡んんんんッ!!!!』
『黙ってろって』
なにか起きてるのは明らかだ。
俺はあえて音を立ててドアを開けた。
ガタン!
俺はトイレをする振りをした後、ドアを開け、音を出して閉めた。
ここや。
バーン!!!!
コイツはどうでもいい。志麻くんだ。
志麻くんは、口をタオルで猿ぐつわされてて、両手は後ろ手に縛られていた。
俺が急いで猿ぐつわを外して志麻くんを抱きしめる。
その後警察に連行。
そう言って首を指さす志麻くん。
俺は少し首を傾け、志麻くんの首を舐める。
志麻くん。顔赤いなぁ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。