『僕君〜border line〜』
*1*
高「なぁなぁ 〇〇?今日な?裕翔がな?」
せっせと忙しく夕飯を作ってる私に、側のテーブルに着いて、スマホ片手に声を掛けてくる雄也。
私の方はと言うと…
またいつもの、大好きなメンバーの話しが始まったよww
と、ちょっと上の空に「ふ〜ん」と相打ち。
高「でな?明日で。って事になったんだけど、、イイ?」
なんとな〜〜くで聞いていた私は、、、
「ふ〜ん」と、また同じ返事をした。
*2*
カチッ!、、カチッ!
〇「えっ、、ちょ、雄也!!!何すんのよっ!鍋の火止めないでよ!!!」
雄也の いきなりの行動に私はプチギレし、頰を膨らませた。
高「〇〇はさぁ……裕翔の事、どう思ってるの?」
〇「は、はぁ??、てか、〇〇って呼ばないでよ!」
高「裕翔、明日ウチに来たいって。、姉ちゃんの事、狙ってるみたいなんだけど?」
目の前に立つ雄也は、幼かった あの頃とは違って…
私を見おろす角度だし、たくましさが際立って…/
私は本能的に、ほんの少し、後ろに距離を置いていた。
〇「そ//、そんな事ないでしょぉ?、、裕翔くんが私みたいなの//、、」
確かに…
こないだ、雄也に会いに楽屋へ行った時も、裕翔くんから たくさん話し掛けてくれて、
でも、連絡先交換する寸前で、雄也に連れ出されて…
*3*
高「〇〇はそう思ってても、男は違うんだよ!」
〇「ッ//!!!」
ちょっと強目に発した雄也の言葉は…
怒りを含んでいた。
なのに…
フワンっと包まれるように優しく…
繊細に私を抱き寄せた。
〇「っ///、、、ゆう、や?……//」
怖いくらいの言葉の後とは思えないくらい…
高「、、、俺もう…
__________限界…」
その言葉は弱々しく…
抱きしめられた私の身体の、奥底に沁み入るように響いてきた。
高「だから、、、
__________もう……姉弟やめよ?」
*4*
血は繋がっていない。
そんな私たちに、
ボーダーラインを乗り越えるタイミングが、、
来たんだ…
高「〇〇を………裕翔に取られたくない…」
言葉と同時に、グッと抱き寄せられる。
その弱々しい声とのギャップに、キュンっと胸が鳴った…
〇「っ、もぉっ//、、辛かったんだから//!」
_____
高「皆んなに紹介するね、、、俺の……姉ちゃん…」
_____
大好きなメンバーに、姉として紹介された時には、、、
ホント泣くのを必死で我慢していたんだ…
でも今…
雄也の背中に回した掌は…
想いの丈のようにギュッ!っと掴んで離れなかった。
*5*
高「明日、裕翔に話すよ。」
〇「もう、“ 俺の姉ちゃん ” って紹介しない?w」
高「おん!み〜〜んなに、“ 俺の彼女だ ”って言いふらすわ!」
〇「ふふっw そんな勇気が要ること、雄也に出来るのかなぁ〜??ww」
高「お!言ったなぁ!、勇気ありまくりだっつーの!」
〇「ウソだぁ〜強がりぃ〜w 雄也は小さい頃からそうなんだからぁww」
私の その言葉を聞いた雄也は、ムッとした表情をした。
〇「ぁ…怒った?」
上目遣いで、雄也を伺うと…
一瞬。
本当に、ほんの一瞬だけ…
雄也は『ニヤッ』とした後…
そっと、優しく唇に触れたと思ったら…
高「もう__________解禁、、だろ?」
と、強引に 全てをねじ込まれ//
最後のボーダーラインまでも…
越えていった///
≡ fin. ≡
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。