第20話

『 favorite 』W×💜 ①
648
2019/06/07 21:31
『君僕〜favorite〜』

*1*



弥生「ねぇ、最近……あの人、よく見かけない??」



いつメンの弥生が “ いっしょといれ ” の帰り際に、そう言い出した。



〇〇「えっ?、、どの人??」






弥生の視線を たどると、










隣のクラスの扉に寄っ掛かり、スマホを見てる…




いや、




スマホは何かのカモフラージュ?





そんな風に思わせ、
チラチラと周りを気にしてる感じの人が居た。



*2*



〇「あぁ!、、濵田くんだよ!、ふふっw なんか不審だねww」





私には、そんな彼の行動が面白い。





あっ!ww





私と目が合うと、クシャッと笑顔になり、





濵「っ///、、よ、よぉっ!」





と、スマホを持った手を挙げた!





スポンッ!!!





〇「えぇぇ〜〜〜〜っ!!!ww」





そ、そんな事って、あるぅぅぅ??





「よぉっ!」と濵田くんが挙げた右手から、
彼のスマホは綺麗な弧を描いて…





冬場なのに、たまたま開けてあった廊下の窓から、寒空へと飛んでいった!




*3*




濵「ッ!!!うわぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!」




慌てて、そこに居た生徒を掻き分け、窓の外を見下ろす濵田くん。




〇「だっ!大丈夫〜ぅ??」




私も駆け寄って、濵田くんの隣。

窓の外を見下ろした。




濵田くんのスマホは、下の先生専用駐車場に停めてある、車と車の間。

ちょうど1台分、駐車されていないところに落ちていた。




濵「っ///、、とっ、とって、、取ってくる、、わゎぁ〜//」




シドロモドロに言葉を発すると、引きつった顔で、走って行った。




ふふっw

サスガの濵田くんも、コレには恥ずかしいんだなww

引きつった顔が、真っ赤っかだったよww






弥生「濵田くんって……いつもあんな感じなの?」

〇「うんっ!!!めっちゃオモロイよねぇ!!!」



*4*


親友の弥生は、引っ込み思案で人見知りちゃん。

男子とは、ほとんど話さない。
てか、話せない?、、のかな…?

でも、私には無い女子力の持ち主で、綺麗な顔立ちで「クスリっ♡」と笑う。

『ザ・SEISO』(清楚)と、私達いつメンでは言われている。





教室のいつメンの中へ戻ると、




弥生「濵田くんって、面白いんだね〜?」

一同「・・・・・」



男子の話しをした弥生に、みんなビックリし過ぎて、固まってしまった。



〇「そ、そうなんだよね〜いつもあんな風に天然ちゃんだし!、、あ〜…部活でもね、本番に弱くて、上手いのにスタメンでは使ってもらえないのよぉ〜w」

弥生「バスケ部なんだぁ〜w 見てみたいなぁ〜♡」




ッ!!!

弥生の語尾に、♡付いてた!!!






「じゃあさぁ!放課後 観に行こうよ!、、私も濵田くん見たい!!!」

「イイよね?、、〇〇っ?!」



*5*


みんな、弥生が興味を持った男子に、興味津々なんだな、、、




〇「べ、べつに、、い、イイけどぉ…?」




そうは言ったものの…

「濵田くんを観に来た」なんて本人に知れたら恐らく…

緊張しまくって、ロボットダンスみたいな動きになっちゃうんじゃ…









______



流「〇〇〜 いっしょいこっ!」



同じバスケ部の流星くん。

こちらもまぁまぁの天然くん。

で、まぁまぁの おしゃべりくん。




〇「あれ?、、濵田くんと望くんは??」




カバンを背負いながら、流星くんと教室を出た。




流「ふたりとも呼び出し〜」

〇「先生に?」

流「濵ちゃんはな。望は、、照史の幼馴染に呼び出されてん。」

〇「へぇ〜」




*6*


流「ここだけの話な?、、望、その子の事、好きなんよw」

〇「へぇ〜」

流「あの図体で、スキップしながらルンルンで行ってもうたわw」

〇「へぇ〜」

流「もうすぐバレンタインやからなぁ〜w アイツらみんな ソワっソワしとんねんw」

〇「そっかぁ〜バレンタインかぁ〜」




バレンタインと聞いて、弥生ちゃんを思い出した。




流「なんやねん?、ため息ついて?」

〇「えっ??……私…?」

流「ふふっw 〇〇って分かりやすいな?ww」

〇「、、君…そういうトコ 鋭いよね……実は友達がね…」




私は、友達が興味で、濵田くんを観に来る事を話した。



流「ふ〜ん。。濵ちゃんには言えんなw」

〇「でしょぉ?……“ やっぱ断ったら良かったのかなぁ〜?”って考えててさぁ、、」

流「それで、ため息かww」

〇「そぉなんっすよぉ、」



*7*


また、ため息をつき、肩を落とす私の顔を、流星くんが覗き込んだ。



流「〇〇って案外、繊細なんやな?」

〇「っ//、、な、何よそれっ//…案外は失礼でしょ!」



私は、めっちゃ側だった流星くんの顔を、見られなくて…

慌てて背けて強がった。


もぉ!
無垢な笑顔、向けないでよっ!!!


この天然くんは、厄介だわ、、、






部活が始まると、何となく集まるギャラリー。

お目当てはツイン。

日常だから気にしない様にしてる。



でも その日は、日常とは違う点が多かった。





濵「望?、、なんか…大丈夫か?」

望「大丈夫、大丈夫…」

濵「体調 悪いんか?」

望「は??大丈夫や、言うてるやん!」




望くん らしくない…

なんか、おかしい…




望くんは そのまま、タオルと飲み物を取りに行った。




*8*



私は、濵田くんと流星くんと目配せを交わすと、望くんに話しかけた。




〇「私、、個人情報は守る主義だから。」



私は、望くんとその場を離れ、体育館裏で話を聞いた。






望「〇〇は……好きな人の幸せって、、願えるか?」



あ〜、、照史くんの幼馴染のコトか…



〇「う〜ん??、、どうだろう?」

望「俺、ずぅ〜っと好きな子がおって、でもその子にも、ずぅ〜っと好きなヤツがおって…ソイツも その子の事好きやから、早よ くっつけばええのにって思っててん。」






望「くっついてくれれば、俺の想いも…楽になるやろなって…」






望「せやから、その子の告白に協力するって、約束したんやけど…」






望「自分が納得してした約束やったはずやのに、、、胸の内を、知らんモヤモヤが覆ってるんよ。、、そんでイライラしてもうて…」





*9*



階段に座ってる膝の間だけを見つめている望くんは…


いつもより少し、

小さく感じた。





〇「、想いって…楽にはならないのかもね?」




小さな子にしてあげるみたいに…


私は…望くんの頭を撫でた。




穏やかな望くんが、
いつも皆んなにしてあげているように。






〇「頑張って、、、伝えてみたら?」




望「へぇっ//?!!!、、、つた、える…?」




〇「…うん。想いを。」

















望「ありがと。、、考えてみる。」




そう言って、いつもの笑顔を見せてくれた。













体育館へ戻ると、部員達は休憩時間に入っていた。



「〇〇〜!!!」と呼ばれ振り向くと、いつメンが、超が付く程の笑顔でいた。




〇「やっぱ 来たんだ…?、」


私は思わず、そんな言葉を ボソッ…と呟いていた。



*10*


近寄ってきた友達の第一声で、彼女たちの超笑顔の理由が分かった。




「〇〇って…望くんが好きなんだぁ〜!?」




いつメンだからか、そんな事だろうと勘付いてはいた。



〇「はぁぁぁぁ〜……違うよぉ…」

「じゃあ何でコソコソと体育館裏で話してたの?、、頭ナデナデしてたのぉ〜??」

〇「コソコソじゃありません。これもマネージャーのお仕事です!」

「えっ!マネージャーなら、頭ナデナデできるの!、私もマネージャーやろっかなぁ〜?」



おふざけだと解っていた。



けど…

私は、ここまでくるのに、結構 努力した。

部員と仲間になる為には、その心に寄り添い信頼される事が重要だったから。

男女だからこそ、難しかった。

皆んなは知らないだろうけど…




「〇〇ってさ?男友達 結構いるけど、そういう話し聞かないじゃん?、、恋愛とか…興味ないの?」



恋愛か…



プリ小説オーディオドラマ