第7話

『 behind 』W×💙
811
2019/05/29 11:47
『君僕〜behind〜』

*1*



キレイな…




うなじ…









昨日とは髪型が違う。




ただそれだけで…




胸が跳ねる…











きゅんっ//……♡





*2*




流:ほい!




〇:えっ//…………あ!…あ、うんw






急に振り向いたから…


一瞬、戸惑っちゃったww


プリントかw






流:ふふっw





っ!!!えっ?!!!


笑われた??


私いま、流星くんに笑われた??








先生:あ、フジぃっ??




流・〇「「はいっ?」」



先生:藤木じゃない、藤井。



〇:ぁわッ!…間違えちゃった//




うわぁ〜〜恥ずかしぃ〜〜///



クラス中から笑い声が響いて、私は赤くなった顔を隠そうと俯いた。





流:ふふっw アホやん!





っ!!!むぅ〜〜ッ!!!


ムカツクッ!!!





流:ふふっw




あ!膨れた私を見てまた笑った!



ヤなやつぅーーーーーッ!!!




*3*


女子:〇〇〜w 流星くんの気を引こうとしてるのぉ〜?w



体育の授業前の更衣室。

気合いを入れようと、鏡の前で髪を結わえていると、クラスの女子に絡まれた。



〇:んッ//!! ホンナホトハルワヘナイッ!!!
(↑そんなことあるわけない!!!)


髪ゴムを くわえながら、私はムキになって反抗した!



女子:まぁ…〇〇はモテるからね〜ww
〇:は//…はぁ〜〜っ??そんな事、ミクロも感じた事ないよっ!
女子:後ろ見てごら〜んw
〇:へっ??後ろぉ??
女子:熱〜〜い視線、感じないかなぁ?ww
〇:…熱い?視線?



振り返っても…


誰もいなかった。





女子:はい!行くよぉ〜!



〇:あっ、待ってよぉ〜〜?





熱い視線って…




なんだ??





*4*



1㎞走を、何本やらされたんだろう…?


その日の体育は地獄だった。




〇:はぁぁぁ〜〜っ……疲れたよぉ…




着替えると、ふと気が緩んでしまい、更衣室のベンチに座り込んでしまった。




〇:あ"〜もぉ〜授業やだぁ〜〜!!!
女子:〇〇遅れるよ?
〇:はぁーーぃ。。。



渋々 立ち上がり、前を歩く友達の腕にしがみついた。



女子:重〜〜い!
〇:いいじゃ〜ん!連れてってぇぇぇ〜〜!もぉ〜歩けなぁ〜い!



女子:あ、流星くんだ…




前を歩くのは、男子更衣室から出てきた流星くん。





女子:〇〇重いから〜流星くんに引っ張ってもらいなよぉ〜w
〇:エッ!なんで流星くんよ!やだやだ!あんなヤツッ!!!
女子:じゃぁ………藤沢くん??
〇:え…藤沢くん…?




って、確か……


後ろの席の…




*5*



確か…後ろの席の…


いつもニコニコしてる、良い人そうな…?






まぁ〜流星くんよりかは…優しそう…


イジワルな感じも無いし…


可もなく…


不可もなく…






女子:イイところに来たっ!藤沢くん!



ちょうど、そこを通りかかった藤沢くんに友達は…



女子:席近いから、藤沢くん引っ張ってあげて!もう歩けないんだってぇ〜ww


藤沢くんの腕を取り「ここ持ってね♡」と、可愛らしく言うと…



女子:お願いね〜サヨナラぁ〜ww



と、手をヒラヒラ振りながら先に行ってしまった。








……え………なんで……?



藤沢くんは、私の腕を掴んでいた。





*6*



藤沢:っ///…だ、大丈夫なの?……辛いなら…保健室行く??…お//…俺、一応…保健委員だし!



〇:ぅへぇッ?!!




思ってもなかった優しい言葉に、変な声が出てしまった。




〇:…や、大丈夫!…歩けるし…




なんだか…
真面目に対応してくれる藤沢くんに、悪い事をしている、そんな気がした。





〇:…あの……手…離してくれるかな…?




藤沢:っ!あっ//!!!ごめん!!!



パッと離された腕。



〇:…あ〜……なんか…ごめんね?



藤沢:っ//…う、ううん。…藤木さんが大丈夫なら、いいんだ///……教室 戻ろっか?





そう言うと、藤沢くんは笑った。








藤沢くんって…




もしかして…




*7*



教室に着くと同時にチャイムが鳴り、先生が慌ただしく入ってきた。

「急用で出なければいけない」と言い、先生は有無を言わさず、テストを配った。


そんな急過ぎるテストに、クラス中からはブーイングの嵐だったが…

先生は、本当に急用だったのか、私達に何も構わず行ってしまった。




流:ぁん…



虫の居所が悪いのか、ぶっきら棒にプリントを渡す流星くん。

それを普通に受け取ろうとした時…



っ!!!



プリントが手に触れる直前に、引っ込められた!



「アホやんww」いつもならそう言って鼻で笑うくせに…




今は違う。




眉間にシワを寄せて、私の顔を見てる。



お、怒ってるの??

私、怒られる様な態度だったかな??



プリントを渡す素振りがないのに、シビレを切らした私は…



〇:早く渡してよッ!!!



と、手を出し 強目に言った。




*8*



そんな私の態度に、ピクリとも揺るがない表情で、私から目線を外した。


えっ?
後ろを…睨んでる…?


そのまま、無造作に渡されたプリントを回すと同時に後ろを確認した。


そこには、ニコニコと、まるで私を待っていたかの様な藤沢くん。


でも…
なんか、いつもと違う。



藤沢:あ!ありがとう♡



優しい藤沢くんに、可愛く「ありがとう♡」なんて言われたら…


悪い気はしなかった。



私は無意識に、ニコッ!と返すと、前に戻った。



っ!!!えっ!!!



流星くんは まだ、眉間にシワを寄せて、こっちを見ていた。


私が藤沢くんに、ニッコリしてたのがバレると…


なんだか、悪い気がした。






てか…
なんなの?






もぉっ!!!





*9*


35分が過ぎ、テストの見直しをしていると…



「終わったか?」と、さっきの表情で聞いてきた。



〇:はぁ?チョット見ないでよ!
流:見とらんわ!終わったか聞いとるだけやろッ!!!



先生:おい、そこっ!話すんじゃない!



監視に来ていた先生に注意されると…


流星くんはスタスタと教卓まで行き、自分と私のテスト用紙を、バンッッッ!!!と勢いよく置き「終わりました…」と一言、先生へ向かって吐き捨てた。





私は何がなんだか分からず、目をまん丸くしてると…



流:お前、チョット来い!



と、手首を掴まれ…

クラスメイト全員が注目する中…





〇:っ!!!…えっ///…な、なんで?
流:ええからッ!!!













連れ出された//……!!!






*10*



その手を、振り解く事も出来たはず…


なのに私…


チョット強引な流星くんに…


悪い気はしなかった。


と言うよりも、むしろ…













ドキドキが止まらないっ///……!!!












ぐいぐい引っ張る流星くんは、ひと気がない場所まで私を連れて行った。



かと思ったら…



いきなり、壁へと追いやられた!




流:その髪…何でや?



は、はぁ??…か、髪??

体育のまま、ポニーテールにしてある髪の事??


相変わらず眉間にシワを寄せながら、訳の分からない事を聞いてきた。



〇:え、えっ?
流:後ろのヤツ、誘ってんのか?
〇:う、後ろって…?
流:は?気付いとらんのか?
〇:う、うん…



何のことだから分からず、私は「ごめん」と謝った。




*11*


流:俺は、気付いとったで?
〇:…えっ?



そう言うと…
流星くんの長い腕が、スグ横の壁へと伸びてきた。



っ!!!



必然と近くなる 綺麗な顔に、私は目を向けられ無かった!





流:お前…いつも、俺を見とったやろ?
〇:ッ///!!!




そうだ。




私…
いつも、流星くんを見てた。










たぶん それは…










好きだから///…









私…









自分の想いに、やっと気付いた…










視線を上げると…







流星くんの瞳に、思わず見惚れてしまった。








そんな私を見て、ニヤッとすると…








流:ずっと…俺だけ見てろよ…










と、そんな言葉に照れまくりの…













ファーストキスが降ってきた…♡










🐎fin.🐎


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