ピピピッピピピッ!!
アラームがなり、重い体を起こす。
まだ寝てたいと思いつつ、
一分一秒も無駄に出来ない人生だということ
を思い出し、立ち上がる。
部屋を出る前にカレンダーを見て、
変わらず進む時間に涙をこらえる。
もっとこの世界で生きていたかった。
そう思っているけれど、
思うだけで何一つ変わりなんてない。
思ったからと言って時間が戻るわけが無い。
もし戻るならもっと早くからそうしていたさ。
少しでも多く寝るために、
着替えと髪を少しセットするだけで
時間になる時間に毎回起きている。
だからもちろん朝ご飯は抜き。
朝ご飯なんて抜いたって何一つ変わりはない。
忘れ物はないかチェックだけして家を出る。
戸締りをしっかりしないと…
また時間を無駄にしてしまうことになる。
歩くのすらだるい体を動かしぼーっと通学路を歩く。
俺何言ってんだろ…
寿命なんて元々縮んでるのに…
こうやって自分を作ることしか出来ないんだ。
ボロは出さない。弱い自分なんて出したくない。
坂田を心配させたくない。
ずっと片想いなんだから…
どうせ届かない思いなら普通に生きていたいの。
ねぇいいでしょ?神様。死ぬまでの時間ぐらい。
あと少しの命を素晴らしいものにしてください…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。