と、笑顔で抱きついてくる坂田。
「やめろ。」と言ってしまうけれど、
本当はものすごく嬉しい。
でも、もちろん言う勇気なんてない
弱虫な俺だから強気でいることしか出来なかった。
あと少しなのに…
あと少ししか坂田と生きていられないのに…
届くわけないのに心の中で
「ごめんね…」という。
ほんと馬鹿馬鹿しいよな…
もっと俺が素直で…
病気なんてなければ坂田と幸せに暮らせたのかな。
なんて、叶いもしないことを思う。
言っても辛いかもしれないし、
言わなかったらもちろん辛い。
どっちにしても辛い中、俺はどうすればいい?
やっぱり好きにならない方が良かったの?
好きにならなければ幸せに暮らせたの?
ねぇ誰か答えてよ…ねぇ…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。