あなたside
五条が宿儺の指を回収した後、僕は、さっきいたマンションの近くのコンビニに来ていた。
五条「好きな物この中にジャンジャン入れてね!あ、僕の奢りだから気にしないでね〜」
あなた「いや、まずそのカゴの中が気になるんだけど。甘いものばかりじゃん。てか、多いな」
五条「最近少なくなってきてるからね〜、今のうちに補充しておかないと」
あなた「いつか絶対、糖尿病になるから」
五条「爆買いするだけであって爆食いするわけではないのでなりませーん!ちゃぁんと考えて食べてますー!」
顔を顰めると、ケラケラと笑って言った。
うぜえぇぇぇ…………!!
五条「というか、それ、あなたも同じだからね?カゴに入れてるもの、和菓子ばっかりじゃんか。あなたこそ、いつか糖尿病になるよ〜」
あなた「爆買いもしないし、爆食いもしないのでなりませーん。金がないので滅多に食えないですー」
五条「それ、僕の真似??んーー、似てない!!100点満点中1点!!!」
あなた「逆に1点もくれるの」
五条をバカにしたつもりなんだけど、僕がふざけてるように見えたのか知らないが、五条はいきなり採点をした。
しかも点数低いし。
真似たつもりはないけど、なんかイラッとする。
五条「それより、あなた、もういいの?」
そう言いながら、五条はポイポイとスイーツコーナーにある甘いものをカゴに入れている。
カゴから溢れかえりそうなんだけど。
あなた「僕はもういい。五条はまだ?もういいでしょ」
五条「うーん、あ、そうだ!ちょっとこっち来て?」
あなた「え、なに?」
五条に腕を半ば無理やり引っ張られて、お弁当のある所に移動した。
あなた「なに?五条、晩飯食ってないの?」
五条「食べてないけど、買うのはあなたの。好きなの選んで。さすがに晩御飯が和菓子っていうのはどうかと思って」
あなた「………………五条が、先生みたい」
五条「先生なんだけどね」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!