あなたside
伊地知さんが運転する車に乗って、呪術高専まで行く。
移動している間、五条が伊地知さんに僕の説明をしていた。
伊地知「なるほど……。今もあまり理解出来てないというか……脳が追いついていないのですが……、納得のいく話ですよね……」
どうして五条の時といい、伊地知さんの時といい、こうすんなりと納得するのか。
眉間に皺を寄せていると、それに五条が気づき、笑って言った。
五条「なんか言いたいことあるなら言いなよ〜。まぁ、大体察しはついてるけどさ」
あなた「…………なんで、五条も伊地知さんも。僕を信じれるの」
僕は2人にそう聞くと、キョトンとした顔をした。
五条「信じれるというか、信じないといけないっていうか〜?」
伊地知「夜凪くんがいた所は、五条さんの任務場所だったんです」
あなた「あ、そうだった。宿儺の指回収してた」
五条「そうそう〜、……帳を下ろしてね」
あなた「帳……??」
僕が起きた時の空……星とか月とか、雲で隠れてるんじゃなくて、帳で見えなかったのか。
僕は車の窓から空を見ると、キラキラと星が光っていた。
あなた「そういう事か……」
なんでこの2人がすんなりと信じてくれるのかが分かった気がする。
あなた「帳を下ろして任務する時、帳の中には絶対に非術師はいないから…………だよね」
五条「せいかーい!おめでとうございまーーす!!」
急にウェイしだした五条を無視して、伊地知さんに話しかける。
あなた「でも、僕がいたのは帳の中。術師でもないのに、どうやって入ったかも分からない僕が『転生した』なんて言ったら、それ以外の入れる方法が見つからないし」
伊地知「はい、そういうことになりますね……」
五条「まぁ、あなたはこれから補助監督の仕事頑張ってよ。詳しい仕事内容は伊地知がぜーんぶ教えてくれるからさ!」
伊地知「えっ……、あ、ハイ…………分かりました」
五条の言葉で、ハンドルをギュッと強く握り、はぁ……と小さく溜息をする伊地知さん。
五条の言ってた通り。補助監督って、大変そうだな……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。