第10話

ハイ、返事ッ!!!!
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2021/04/29 12:55
あなたside



伏黒《百葉箱!?そんな所に特級呪物保管するとか、馬鹿すぎるでしょ》




僕らのあたりが静かなせいか、伏黒の声がよく聞こえる。




五条「アハハ。でも、おかげで回収も楽でしょ」




電話越しの伏黒に、ヘラヘラと笑って言う五条。



うわぁ、バリバリ原作……。すご、本物だ…………((




伏黒《…………ないですよ》



五条「え?」



伏黒《百葉箱。空っぽです》




おっと。これは多分、キレてる声。




五条「マジで?ウケるね‪w」



伏黒《ぶん殴りますよ………》




あっ、まって、ガチギレだコレ。




五条「それ、回収するまで帰ってきちゃ駄目だから」




そう言い終わると、プツリと電話を切った。



いや、今、絶対…………火に油注いだよね?




あなた「それはさすがに……教師としてどうかと思う。伏黒が可哀想」



五条「恵はいいとして、僕が教師ってことも知ってるのね。どこまで知ってるの??んん??」



あなた「いや、それ言ったら未来変わっちゃうかもだし。たとえ相手が誰であろうと言わない」




五条「へぇー、そんなこと言われたらますます気になっちゃうなぁ〜」




教えて欲しいなぁ〜!とダダをこねまくる五条(いい歳した大人)。



駄目だって。絶対嫌だ。と断っていたら、




「まぁ、いいや。甘いもん食べたくなってきた〜、コンビニ行こうよ」




と言った。…………けど、



五条は扉に向かわずに、僕から少し離れた所に歩み寄り、ナニカを拾った。




五条「何でも知ってるあなたにしつもーん!!コレはなんでしょうかっ!」




五条が持っていたのは、指だった。



そう。宿儺の指だ。



実際に見ると、想像よりもずっと禍々しい。




あなた「何でも知ってる訳じゃないけど、それは知ってる。指でしょ、両面宿儺の」




五条「やっぱり何でも知ってんじゃないのぉ??」



あなた「そんなことより、なんで僕よりも先に優先しなかったの?危険なものなんでしょ?」




五条「大丈夫、僕最強だから」




うん……、すっごい声がいいんだけど……。




あなた「理由になってなくない??」




五条「この指に集まってくる呪霊がいても、最強の僕がいるから大丈夫ってこと!!これでわかった??ハイ、返事ッ!!!」




急に、五条が両手でパンパン!と手を叩いた。




あなた「…………………………ハーイ」





僕はこの状況で、ハイテンションな大人のノリについていけず、少し間を開けて返事をした。

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