第5話

キューさんの観察日記!
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2019/06/16 02:55
サポート……かぁ。

なかなか面白いことを言うバケモノだ。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
これから一緒に住むんならさ…
バケモノ。
キュ〜?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
貴方のこともっと教えて…!
一緒に住むとなったら、聞きたいことは沢山ある。

もうそんな経験…二度とないだろうから。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
名前は、なんて言うの?
興味津々な目でじっと見つめる。

名前…ないのか、思い出せないのか知らないけどバケモノは、それを聞かれると困ったような顔をして手を顎に当てた。
バケモノ。
………。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
……ないの?
そう尋ねると、バケモノは横に振る。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
じゃあ…あるけれど、忘れたとか?
バケモノ。
頷く))
相羽 望結 (アイバ ミユ )
うーん、変わってるねぇ
忘れた……かぁ。

ならば…名前は、あったというわけで記憶喪失みたいな状態になっているということ?今は。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
……あっ!いいこと思いついた!
バケモノ。
キュッ?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
簡単に言うと…君は記憶喪失みたいなもんだよね?
バケモノ。
……。キュッ!
相羽 望結 (アイバ ミユ )
私の観察にも加えて…日記をつけない!?
そう言うと、バケモノは目を開いた。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
私にも色々分かるしさ…もしかしたら!
『君も、なんか思い出せられるかもしれないし!』
そう言うと、バケモノは眉毛を下げながら笑った。変な笑顔だ。素直にそう思った。

バケモノはそんな顔をしながら、紙にペンを握った。
バケモノ。
『ありがとう。その意見に賛成します👍』
可愛いGoodの絵がある文章を目に映る。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
…良かった!
早速、棚から前買って…そのまま使わなかった新品のメモ帳を取り出す。

そして、早速分かっていることを文字に表す。
ーーメモ帳ーーー

・バケモノは、私しか見えないし、話せない。その上、そのバケモノは物など通り抜けることが出来る。

・キューとか、キュッしか鳴けないが日本語は、分かるし書ける。








そして……、

・謎のバケモノには名前が思い出せない。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
…ねぇ、君が本来の名前を思い出せるまで私が…
相羽 望結 (アイバ ミユ )
仮の名前を付けてもいい?
そう尋ねるとバケモノは、頷きながらGoodポーズを作る。
・……だから、バケモノが本来の名前を思い出せるまで私が《キューさん》と名づけることにした。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
ネーミングセンス無いなぁ〜ハハッ
バケモノは、いやキューさんはメモ帳を覗くと…「キュー!」と鳴いた。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
テキトーだなって思った?ハハッ!
あ、確か…小さめなホワイトボードがあったはず…。
ガラクタが集まっている押し入れの中から探り…取り出す。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
はい、良かったらこれで話をしない!?
キューさんは、それを受け取るとそっと胸に抱き詰めた。
キューさん(バケモノ)
キュッ…キュッ!!
そして、早速何かを書き出した。
キューさん(バケモノ)
『正直言うと、昨日の夜からあなたをつけていました。』
相羽 望結 (アイバ ミユ )
…えっ!?
キューさん(バケモノ)
『そして、分かったことが2つ。』
キューさん(バケモノ)
『君は、人と話すのが苦手で…』
キューさん(バケモノ)
『生きる意味が未だに分からない。』
相羽 望結 (アイバ ミユ )
ぁ……ぁあ…
もうそんな事まで掴んでいるんだ…。

凄い観察力に圧倒された。もう…合ってます。100点です。
キューさん(バケモノ)
『あのね、 生きるのは…素晴らしいことなんだからね。』
相羽 望結 (アイバ ミユ )
…うん。
分かってる。でも……《生きる》のが当たり前すぎて素晴らしいのかも分からなくなる。

1回死んでみたら、その素晴らしさが分かるんだろうけど。
バケモノは、その文章をまた消してまた文章を書く。
キューさん(バケモノ)
『私は、君と会えて嬉しいんだよ!』
キューさん(バケモノ)
『知っている?この広い世界の中で』
キューさん(バケモノ)
『私と君が出会えるのは…』
キューさん(バケモノ)
『たったの0.0004%なんだよ!』
キューさん(バケモノ)
『凄いよね!』
キューさんは、目を輝かせてそんなことを文字で話す。

そんな姿を見たら私まで《笑顔》になる。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
そんなの…初めて知った!
キューさん(バケモノ)
『え!?だったら、生きている間に知ってること1つ増えたね!』
だからこそ…『出会いは大切に。』って言うんだろうか。

その意味が…ようやく分かったよ。
キューさん、君との出会いも大切にしていこうっか。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
じゃあさ、私が知っていること話そうか!
キューさん(バケモノ)
キュッ!?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
油性ペンの先に火をつけると懐中電灯やロウソクの代わりになるんだよぉ!?
ドヤァとした顔で言うと、バケモノはそれが面白かったのか笑い出した。
キューさん(バケモノ)
ふふっ!なんだぁこれ〜!
笑い声も可愛くて…声も意外と綺麗で……



…ってあれ?声出してた?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
え?
キューさん(バケモノ)
キュッ!?
キューさん自身も驚いているのか口をベタベタと触っていた。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
キューさんの謎もまたまた深まるね!
ニシシッ!と、笑うとキューさんは手を頭に乗せて恥ずかしそうに微笑んだ。


その1日には、日が暮れて真っ暗になるまでずっと色々な…話をした。

最近、地球温暖化がやばいとか…私が通っている大学には怖い先生が居るとか、

令和に変わったね。とか…ごく普通の話だ。

それだけど…心がスゥッと楽になってその日の夜は久しぶりに深く眠ることが出来たような気がした。



さぁ〜て、明日は大学に行く日だ。





ーー【ちょい足し】ーーーー


久しぶりに見た人間の手で…

目の前にいる机に顔を載せながら眠っている女の人に…そっと薄い布団をかける。
昨日出会った時の顔とは違って優しい顔になっていた。

ちょっと楽になったのかな?それなら良かった。
???
どうか、私みたいにはならないでね。




さぁ〜て、今夜は満月だ。









ー【ちょい足し】終わり。ーーー

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