あれから1ヶ月後。
私は退院し
週に1回通院しながら
学校に通っている。
もちろん部活動にも復帰した。
最近は春高に向けて
また練習試合や合宿が行われている。
それに、学校最大の行事
学校祭も1週間後に行われる。
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そう言われ、連れてこられたのは
空き教室
そう言われ、悠真は私を抱き締めた。
私たちのクラスでは
劇をすることになった。
演目は「シンデレラ」
私はシンデレラ役をする事になったのだ。
彼は俯きながら私を離した
(なんやねん…)
それから悠真は「頭冷やしてくる」と言って
空き教室から出て行った。
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kataoka yuma side...
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愛生が退院した。
学校にも部活動にも来ている。
愛生に振られてからも
俺はまだ愛生のことが好きだった。
北が好きなことも知っていた。
俺に気が向かないことも知っていた。
それでも、彼女のことが好きだった。
あと1週間で学祭が始まる。
そこでバレー部が主催の
「キュンキュン告白大会」に出る事にした。
でもその前に、愛生に伝えたかった。
"今もまだ、愛生が好きだ____"と。
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yuma side end...
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(悠真は私に何しようとしてんやろ)
私は空き教室を出た。
すると、北くんが歩いてきた。
彼はペンキを持っていた。
彼と一緒に教室に戻る事にした。
私は苦笑して彼の横顔を見た
少し険しい顔をしていた
そう言って彼は笑顔を見せた。
でもすぐに真顔に戻っていた。
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学祭で各部活も何か出し物をしてくれと生徒会に頼まれて、バレー部はバスケ部と合同で「キュンキュン告白大会」をする事になった。
2週間前から募集をかけ、昼の一番みんなが集まる時間に中庭で行うことになった。
稲荷崎では1日目は校内で
2日目は一般公開で校外の人たちも来てもらえる。
2日目にステージ企画をたくさんする事になっている。
それに、2日目が終わった後夜祭。
花火が打ち上がるのだ。
実は後夜祭にはジンクスがある。
"後夜祭の花火を見た男女は結ばれる、そして、幸せになれる"というジンクスだ。
私は、北くんを誘おうと思っていた。
せっかくだから、一緒に見たいなと思って__ 。
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それから2日後。
私は急に体調を崩して保健室で寝ていた。
兄も心配し、保健室に来てくれたが
私はただの風邪だと言って
兄には教室に戻ってもらった。
(もしかしたら…もしかしたら……)
私の脳裏には「再発」という言葉しか
出てこなかった。
不安になった。
また再発してまた入院生活で
せっかく春高予選はみんなと一緒に
体育館のアリーナにいれると思ってたのに。
また北くんとたくさん話せると思ってたのに。
私は悲しくなって涙を流した。
私はずっと泣いていた。
悲しくて、辛くて
もしこのまま消えれるなら
消えてしまいたかった。
北くんの声が聞こえた。
私は気付かないふりをして返事をしなかった。
すると彼は私の背中をさすりながら…
少し悲しそうな声でそう言った。
鼻を啜る音が聞こえた
(北くん…泣いてる…?)
泣きながらそう伝えた。
彼は背中をさするのをやめた。
私は起き上がって彼にそう伝えた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!