彼の言った言葉が私に向けられたものだと
理解した瞬間、私はゆでダコのようになってしまった。
脳が完全にヒートして舌が上手く回らない…
さっきまで黙っていたアキさんが顔を顰めてフォローして
くれたけど次は彼が顔を顰めた。
流石に私も落ち着いて
今の状況がマズイ事を理解した。
マキマさんを見てみれば、彼に向かって
「おすわり」と言った。
すると彼はたちまち静かになり犬のように床に座り込んだ。
そう言ってデンジ?くんに私達の事を紹介し始めた。
私達の事を聞いたデンジ?くんはワナワナと震えていた。
いちいち可愛いって言われると何だかこそばゆくて
私は下を向いた。
マキマさんがそう言うと
デンジ?くんは絶望したかのような顔になった。
アキさんは顰め面のままデンジ?くんの
首根っこを引きずってイヤだと叫ぶ彼を連れて行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。