リリー様の部屋の戸を決まった回数ノック致します。
すると、返事より前にリリー様が出てこられました。
くっっっっっ……
か わ い い
悶えそうになりますが、我慢致しまして。
にこやかにそう言うと、嬉しそうにリリー様は、
とわたくしを部屋に招き入れてくださいました。
配慮も出来るし、本当に素晴らしいお方です。
しゅき………。
部屋に入ると、リリー様が目をきらきらさっせながらお聞きになられます。
かわいらしすぎますね…
ふふ、と笑みをこぼしながら言いますと、リリー様も心底嬉しそうに笑われました。
リリー様神すぎますね…
バッグの中から丁寧にラッピングされたかんざしを慎重に出します。
そしてうやうやしくリリー様に差し出すますと、
とても驚かれていました。
そして、はにかみが隠しきれておりませんでした。
そう言われたので、勿論とばかりに髪の毛をそっと触らせていただきます。
そしてかんざしが差しやすいよう、お団子にしてみました。
そういい鏡を差し出すと、ぱぁぁっと効果音が出そうな程に笑われます。
かわいい…
わたくしとお揃いっていうことですよね?
わたくしも着けましょうか…
そう思い同じお団子っぽく結び、カザちゃんがくれたエメラルドグリーンのかんざしを着けます。
な、なんだか恥ずかしいですね…
じっとこちらを見ていたリリー様がうつむいているのは何故でしょうか…?
まぁ置いておきますね。
そうにこ、っと言うと、リリー様も微笑まれました。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。