誰かに起こされ、目を覚ますとそこにはぐるちゃがいた。
背筋が凍る感じがした。
『...。』
gr「おはよう。よく寝ていたもんやなぁ???」
マヂキチスマイルをこちらに見せてくるぐるちゃ。
とりあえずと思い、あやふやな言い訳をする。
すると、ぐるちゃは呆れたと言わんばかりに溜息をつき、私のおでこにデコピンをした。
(何故かデコピンばっかり出てきてるよね。作者)
『いでっ、なにするん。』
いつもの標準語が外れ、関西弁がポロッと出た。
ぐるちゃは目を丸くして驚いていたけれど、
gr「おかえり。」
なんて優しく答えてくれた。
ぐるちゃの目の下には隈がはっきりと出ていて、完全に社畜そのもの。
だから私は、ぐるちゃの頭をポンポンと叩き、
『お疲れ様!』
そう声をかけた。
*
冬の朝は幻想的。
昇ってきた太陽は赤く染まり、炎を燃やす。
そんな景色を眺めながら、片手にはグラス。
カッコつけていると自分でも思うがあなたはこれが好きらしい。
隣で寝ている彼女は、見ているわけがないがな。
赤い空に飛び交う鳥達。
鳴くその姿は、俺たちを起こしてくれるようだ。
『おい、あなた。起きんかい。』
掛けてある毛布がバサッと這う。
目を擦りながらおはようと返事をするいつもの日常。
You「今日は、何するん?」
関西弁に戻った彼女は、幼少期と何ら変わりないあなただった。
そんな、日々。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。