tn「じゃあなーあなた。」
『ばいばー、とんち。また遊んでね!』
1週間が経ち、ぐるちゃが帰ってくるとのことでとんちが家に帰るみたい。
ぐるちゃがいなくても、実況は撮ってるみたいで、見学みたいなのをさせてもらった。
久しぶりに聞く声もあったし、最近聞いた声までいろんな声が聞こえてきて、どれだけの友達がいるの?と疑問に思った。
まぁ、本音は分けろだけどね?
玄関でとんちを送ると、汚くなってしまったリビングを掃除する。
まあ、ぐるちゃは綺麗好きだからね。
私もだけど。
綺麗になった部屋を見て、ぐるちゃが褒めてくれる光景が思い浮かぶ。
『...頑張ろっ!』
私は、必死になって片付け始めた。
*
さてさて、静岡はまぁ...。
普通やったわ。
言うてそんなにビルとかないし、都会みたいな感じではなかったか...?
大阪に戻ってくると、なんか空気が変わった感じがして、違和感を覚える。
まあ、俺の家元々ここだけどな。
1週間だけだというのに、家までの道が懐かしく感じる。
おっさんやなぁ。
家の扉から聞こえる中からの物音。
『...またなんかしとるやろ。』
彼女がなにか行動していると思い、扉を開ける。
You「あ!ぐるちゃおかえり!」
ゴミを両手に、部屋を片しているあなたの姿があった。
You「えへへー。片付けしてたんだ!」
ゴミを見せびらかすようにして、手を前に持ってくる。
『さすがあなた。偉いじゃないか。』
頭を撫でながら、褒めてやるとあなたは喜びその場を飛び跳ねた。
『近所迷惑になることはやめとけよ。』
*
『こうしてっと。あー、これいらんやろ...。』
溜まっていた動画の編集を始める。
女の人との交流は苦手て、極力避けてきたけれど、あなたは妹みたいな感じやから、全然楽しかった。
家に帰ってきた時、寂しくなったとか思っとらんから!
ええな???
な???(圧)
編集が終わり、グルさんのパソコンに送る。
そっと閉じれば、風呂に行くことにし、準備するため椅子から立ち上がる。
ふと、目に映った写真たてを手に取る。
『懐かしいなぁ...。』
そこには、小さい頃の俺とあなたが写っている。
『俺の恋は、砕けとるからなぁ...。』
あなたへの恋心は、とっくの昔に死んでいる。
今は、グルさんたちの応援をしないと。
涙が出そうなのは、なんでやろうな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。