第7話
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それからも僕等は活動を続けた。
フォロワーさんやいいねの数も
どんどんと増えていった。
そうしていくうちに上がってきた
他のSNSもはじめてほしい
という意見。僕等はそれを取り入れた。
Twitter、Instagram、YouTube。
はじめると、喜びの声が上がった。
TikTokもYouTubeもフォロワーや
チャンネル登録者数が50万人を
超えた頃のこと。
とある木曜日の夜のこと。
毎晩聞こえてくるはずの
あの歌声が今日は聞こえてこない。
「いつもこの時間に聞こえるんだけどな…」
まあ、寝落ちしちゃってるのかな、。
だがその翌日の夜も、
声は全く聞こえることはなかった。
流石に少し心配になる。
メールをしてみても、
返信どころか既読もつかない。
僕は不安を覚えた。
そして土曜日がやってきた。
今日はいつもと少し違い、
TikTok、YouTubeの撮影に、
とある取材がくる。
集合時間は10:00。
現在時刻は9:45。
いつもなら10分前にはここに来る。
9:56。まだあなたは来ない。
不安の波が押し寄せてくる。
そして10:30。
まだ来ていなかった。
11:00。玄関のチャイムが鳴る。
直ぐ様鍵を開けた。
だがそこにいたのはスーツを着た男だった。
『こんにちはー、カルミア様の取材に
参りました、中村です。』
「あ、よろしくお願いします…」
「申し訳ないですがまだもう一人が
来れていなくて…」
『そうですか…すこしここで
待たせていただいてもいいです?』
「ええ。すいません。」
12:30。
『すいません、次の仕事に間に合わなくなるのでここで失礼させて頂きます。』
「お待ちいただいたのにごめんなさい…」
「わざわざおいでくださり
ありがとうございました。」
『いえいえ。また機会があれば
よろしくお願いします。』
そうして男性は帰っていった。