無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話

第12話

12


これは私とお隣に住むとある男性との話。


最初は、私も彼も、お互いに


どんな顔をしてるのか、どんな人なのか、



全く持って知らないでいた。


唯一彼が知っていたのは"声"のみ。


私はその声さえも知らなかった。


そんな私が彼の顔や声を知ったのは


なんでもない平日の夜のこと。


偶然帰ってきた時間が同じだったらしく、


私がポストの中を確認しているところに


彼に声をかけられた。


『こんばんは。』と。


話しているうちに、私が毎晩している


ことについて言われた。


『いつも素敵な歌声聴いてます』


その瞬間、一気に体が熱くなった。


恥ずかしい。でも、褒められて嬉しい。


気がつくと私は彼に


「あなたの歌声も聴いてみたいです」


そう口走っていた。


そんな彼の名前はハルさん。


とても好印象な方だった。


連絡先を交換し、その日は解散した。


けれど夜、お風呂に入り歌を歌っていると、


それに乗っかって歌声が聴こえてきた。


これは……ハルさん、?


歌いながら聞き入る。


とっても素敵な声。


ずっっと聴いていたいくらいに心地よかった。





そんな夜を何度も何度も繰り返すうち、


私の心にはとある気持が芽生えた。


"彼の歌を世界中に聴いてほしい"


その思いを伝えると、彼も賛成してくれた。


活動名は私が提案した「カルミア」。


活動を始めると、徐々にファンが増えていく。


彼の歌を皆が聞いてくれている。


とっても嬉しかった。


活動していて嬉しかったことは


それだけではない。


彼と毎週会える。話せる。


そう、彼との時間を過ごせるのだ。


すごく幸せに思えた。


私は気がついた。


"私、彼が好きなのかも"


その疑いは、少しずつ確信へと変わった。


けれど、彼はきっと私のことを


なんとも思ってはいないだろう。


そう思って何も言えなかった。


そしてある日のこと。


この日は変わらず仕事があった。


だが朝からなんだか気持ち悪い。


体調が悪いな、と思ったから


仕事はお休みした。


そして翌日。


今日は仕事に行けそうだと、


そう思い支度をしていた。


すると目の前が急に暗くなる。


私は倒れたらしい。


誰かに気づいてほしい。


けど一人暮らし。


当然気づかれるわけもなく一日が終わった。


次の日。今日は土曜日。


撮影がある日だ。しかもこの日は


取材も来ると聞いていた。


あーあ、はるくんにも取材の方にも


迷惑かけちゃうな…


そんなことを考えていたら


玄関の方から音がした。


そういえば鍵開けてたっけ。


そしてリビングにやってきたのは


はるくんだった。


「え、ちょ、、、」


私が動かないのを見て、


はるくんは焦った。


それもそうだよね。


ごめんね。迷惑かけちゃって。


はるくんだけには迷惑も


心配もかけたくなかったな…。


だって、好きだから。


そしてその後、私が旅立ったことが


彼に知らせられる。


彼はその夜涙で枕を濡らした。


どうしてそんなに泣いてるんだろ。


なんて思っていたら、


数日後何やら歌が聴こえてきた。


この声は…はるくん、?


歌詞を聞いていると、


私達の出逢いから別れまでが


語られている。


あれ、、


『どうやら君に惹かれていたみたい』


って、もしかして…


はるくん、私のこと好きだったの、?


私の気持ち、気づいてないよね、


伝えてればよかったかな。


でも、後悔はしてないよ。


私ははると出逢えただけでも


本当に幸せだった。


貴方がこっちに遊びに来るまで、


またカルミアとして歌えるように、


準備して待ってるからね。


今度は"恋人"として、


活動していきたいな。






_fin_