第28話

御返事
6,107
2020/04/23 12:55
「──…月が綺麗ですね。貴方のことが好きです。










バッッ…と。

勢い良く隣を見ると、少し耳が紅くなった不死川さんが居た。
盈仙えいせんあなた
え、あっ……
不死川実弥
不死川実弥
……何、どうかしたかァ…?
更に顔が紅くなる。

…多分、意味分かってる……よ、ね。
盈仙えいせんあなた
…な、何で急に敬語を……?
不死川実弥
不死川実弥
……もう、分かってんだろォ。
じっ、と。
こちらを見つめる不死川さん。

私は慌てて顔を逸らす。




…そして、視線を月の方へと向けて。
盈仙えいせんあなた
……ずっと、前から。












︎︎
盈仙えいせんあなた
──…ずっと前から、月は綺麗でしたよ。ずっと前から、貴方のことが好きでした














︎︎
そう言って。

一瞬、時が止まったかのように…辺りが静けさに包まれて。
……次の瞬間。
盈仙えいせんあなた
わっ!? ちょっ…不死川さん…!?
不死川さんが、思いっ切り抱きしめてきた。

でも、苦しくはない。





……あぁ。

私の、大好きな匂いだ。
不死川実弥
不死川実弥
ありがとなァ……一生、絶対に…お前を、守りきってやる……絶対ッッ…
盈仙えいせんあなた
はい…あり、がとう……ございます…
“実弥さん”ッッ…!!
不死川実弥
不死川実弥
っ…!!
私が、そう呼ぶと。

実弥さんが、私から離れたかと思えば。



実弥さんの手が……伸びてきて。

そのまま。
…唇に、柔らかい感触。





…そして、直ぐに離れる。
盈仙えいせんあなた
さ、実弥さっ………
不死川実弥
不死川実弥
あん時のは…薬の所為だった。単なる事故ってやつだァ。
不死川実弥
不死川実弥
……でももう、遠慮する必要はねぇよなァ?
盈仙えいせんあなた
へっ…!?
黒い笑みを浮かべて見せる実弥さん。

……嫌な予感。
盈仙えいせんあなた
まっ、ま待ってくださいッッ!!
私、まだ…心の準備がッッ!!!!
ヒョイッ
不死川実弥
不死川実弥
ずっと耐えてきたんだァ。…誰が待つかァ。
…そうして、そのまま。

私は、寝床へと連れて行かれたのだった。
















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