第12話

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2020/04/07 09:39
……任務帰り。

不死川さんの屋敷へと続く道を歩いていると、向こう側から誰か歩いて来た。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
……あら、誰かと思えば…何処かの裏切り者じゃないですか。早く視界から消えて下さい
盈仙えいせんあなた
蟲柱様……では、失礼…します…
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
……あぁ、そうそう。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
貴女、不死川さんと一緒に暮らしているらしいじゃないですか。
盈仙えいせんあなた
!!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
可哀想ですねぇ、不死川さんも。こんな女に騙されるから…
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
痛い目見ることになるんですよ。クスッ
盈仙えいせんあなた
!? しのぶ、お前それどういう…!!
思わず、胸ぐらを掴む。


不死川さんが痛い目を見ている……?


どういうことだ。


日輪刀を抜きたい気持ちをグッと堪え、目の前の女に問い掛ける。
盈仙えいせんあなた
不死川さんに何したんだよ!!!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
気安く触らないで貰えますか。それと、答える訳がないでしょう。自分で見て確かめたらどうです?
盈仙えいせんあなた
……チッ、下衆が…!!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
……こちらの台詞ですよ。
私は吐き捨てる様に呟き、一目散に屋敷へ駆けた。
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不死川実弥
不死川実弥
フゥー………フゥー………ゔっ…
何だ、これ。

…全身が痛い。感覚が麻痺する。


……苦しい。息が、出来ねぇ………。
……茶ァ飲んでから、全身が痛くなった。

“毒”でも入ってたのか……。



意識が、朦朧としてる。
目の前が、ぼやける。
……駄目だ…身体に力が入らな…
盈仙えいせんあなた
──────!!
声が、聞こえる……。


盈仙か……?


あ……目の前が………真っ暗…………。


















──プツンッ
















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