気味の悪い笑いを零し。
そいつが見据えていたのは……御館様。
あの…鬼の姿へと戻り、触手を御館様に向けた。
咄嗟に、触手を斬り落とす。
御館様は……良かった、無事のようだ。
他の柱達は、あなた以外…ただ呆然としている。
御館様が殺されかけたってのに、何ぼーっとしてんだコイツら。
瞬間、一斉に日輪刀に手を掛けた柱。
あなたが飛び出して、あいつに斬りかかる。
……が、硬度の上げられた触手で、刀を受け止められてしまう。
ギリギリと刀が音を立てる。
あなたの表情は、苦しそうだった。
それに対し、鬼は……憎しみを込めた目で笑っていた。
あなたは、刀を立てたまま…下を向いて、俯いた。
何も言い返せない。
そんな顔をして。
ババババッ!!!!!!
触手で斬撃を流される。
チッ…やっぱこれじゃァ駄目かァ。
ギイィィィッッ!!!! ガキィンッ!!!!! ギィンッッ!!!!!!
……斬撃を受け流す音が、辺りに木霊する。
これでも…駄目なのか。
ガガガガガガッッッ!!!!!!
左手が斬り落とされ、青筋を浮かばせる鬼。
……あなたを追い詰めたのは許せねぇが…実力はトップだな、悲鳴嶼さん……。
瞬間、あなたの周りからおびただしい殺気が放たれる。
明らかに様子がおかしい…それに。
……滅ノ型ァ?
ザシュッ
ゴロンッ…
……俺の足元に。
鬼の頚が、転がっていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!