“ きっとこれが最後 。”
“ 美羽。まだ4歳になったばっかりだったのに、ママいなくなっちゃうの、ごめんね。こんなに小さい体にたくさん背負わせてごめんね。
美羽のランドセル姿、制服姿、成人式で袴着てる姿、全部全部見たかった。美羽が成長して大人になってパパとママのところから巣立っていくまでしっかり見届けてあげたかった。ちゃんとママしてあげたかった。
もしパパが辛そうにしてたら美羽ちゃん、支えてあげてください。美羽なら大丈夫。
パパの元気の源になってあげてね。大好きだよ。 ”
“ 辰哉。1人にしてごめんね。たくさん愛してくれてありがとう。それとデビュー本当におめでとう。デビューの瞬間は見届けられてよかった笑 でもこれからって時にいなくなりたくなかった。 1人になりたくない。ずっとずっとずーっと辰哉と一緒にいたかった。本当に怖い。あっちに行きたくない。 でも、もう何を嘆いても無理なんだよね。
辰哉、1人にしちゃうけど辰哉なら大丈夫。美羽と辰哉だったらきっとなんでも乗り越えられる。
心配で不安で堪らなくなったら空を見上げて私を呼んで。必ず答えるから。
ずっとずっと辰哉のそばにいる。それは変わらないよ。本当に今まで沢山笑顔にしてくれて、支えてくれて、愛してくれてありがとう。大好きだよ、愛してます。”
ポタッ
自然と気付かぬうちに涙が出てきた。
書いてる時に涙でボールペンが滲んだところと同じところに涙が落ちた。
全部全部思い出した。
辰哉、美羽、大事な家族。
大好きで大好きで堪らない人達。
ずっとずっと会いたかった人。
帰ってきたかった我が家。
私は急いで布団から出て辰哉の部屋に向かった_。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。