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第8話

『 café 』71 〜 fin.
337
2019/05/26 20:32
『café』

☆71☆


望さんは、ふたり分のコーヒーを入れて、私の隣に座った。


藤「サンキュゥ!あ、砂糖 取って?」


っ!!!

私は唖然とした。


藤井さんは、いつもやってるであろう手つきで、お砂糖を二杯、コーヒーに入れるとスプーンで混ぜながら、ミルクも入れた。


〇「エッ!あ、あの?藤井さん?」
藤「ん?なぁ〜んや?」
〇「そ、それ…」
藤「それ?」
〇「コーヒー!」
藤「コーヒーがなんや?」
〇「・・・・・ブラックじゃないのぉ〜〜??」



望「ふふっw かわええヤツらww」



カランコロン♪



聖「close でしたけどぉ〜ww」
〇「あっ!聖羅♡」



聖羅と智くんに来てもらったんだぁ〜

藤井さんを紹介する為に!



神「・・・・・」
〇「なに?智くん?」
聖「あ〜ほっといてやって?w」



智くん…
やっぱり反対してるのかな…?


☆72☆

望「聖羅ちゃん、いらっしゃい!智くんも〜」
聖「ぷっ!ww 智くん呼ばわれ!」
神「っ// と、智くんは辞めてもらえますかぁ?」
望「はいはいw 何にする?」
聖「ホットで。神ちゃんも?だよね?」
神「おん…」



そんな 智くんのよそよそしい態度が、私に結構なダメージを与えていた。



いつも、私を支えてくれてるのに…

いつも、私を甘やかしてくれてるのに…

いつも、前を向かせてくれるのに…



智くんの存在は、私の中で大きくて、ホント大切で…

本当の お兄ちゃん以上に、お兄ちゃんなのに…



私…
辛い思いを させちゃってる。



藤「こないだは…どうも。」



私の気持ちが、こんなにも沈んでるなんて気付いてない藤井さんは、智くんに挨拶した。



神「…ども。」



えっ…それだけ??

険悪 過ぎだよぉ〜(泣)


☆73☆

神「……で?」
藤「へっ?…〇〇と、お付き合いしとります…」
神「知っとるわ!」
〇「っ!ちょ、智くん?」
神「お前、ホンマにコイツで ええのん?」
〇「…コイツじゃないもんっ!藤井さんだよ!」



聖「あ〜…また始まったw」
望「え?よくケンカするん?」
聖「兄妹ゲンカだと思ってやってくださいww」



神「〇〇を泣かせるヤツなんて、俺は許さんぞ!」
〇「なんで智くんに許されなきゃならないのよっ!!!」
神「俺に泣きついて来たん誰や!全部、コイツのせいやろッ?」
〇「…違うんだよ…私の早とちりだったの。」
神「はぁ?」
〇「とにかく!私は確信したの!……




〇「……てゆうか//…確信させてくれたの///」



赤く染まる私の頬に気付いた藤井さんが、



藤「〇〇 //……ちゃんと…届いたんや?」

〇「えっ//…あ、うん!…届きました///」



☆74☆

藤「ちゃんと…届いたんや?」
〇「えっ//…あ、うん!…届きました///」



望「なんやねん!ふたりしか分からん会話すなやぁ〜!」









抱きしめられて想う。




想われている。




今はそれが……真実。









聖「しっかし、初めてが着物って…エ口過ぎるでしょぉ〜〜!」
神「っ!エ口いってなんや?!」
望「や、完全にエ口いやろ?」
藤「ふふっw 〇〇ヤバかったでぇ??」
〇「ちょっ!///…もぉッ!辞めてください!!!」


でた!!!
藤井さんの S モード!!!


神「ちゃう!!!〇〇の初めては俺や!!!」
〇「っ!智くん!」



きゅ、急に何言い出すのよ!!!

智くんに捧げた初めてなんて、無いよ!!!



神「ファーストキスは、俺とやん?」
〇「・・・・・え?」
神「お風呂やって!一緒に入ったん俺が初めてやったろ?」
〇「・・・・・え?」


☆75☆


望「ちょい待ち!流星は?〇〇と一緒にお風呂とか…」
藤「……ないわ…」
望「もぉ〜〇〇〜!智くんに初めて捧げ過ぎやろぉ〜?」



???
な〜んか怪しい…

だって、望さんニヤけてるもん!



〇「それってさぁ〜……1歳くらいの話しでしょ?」
神「・・・・・んっ?」
聖「だと思ったww」
望「そんなん、初対面の俺でも引っかからんわ〜ww」



って!!!藤井さんっ!!!


ふはぁ〜〜〜〜ッ……
っと、チカラ無くカウンターに伏せた藤井さん。


〇「ど、どうしたんですか?」


具合でも悪いのかなぁ??


〇「…藤井さん?大丈夫ですか??」


私は心配になり、その背中を そっと さすった。


っ!!!


クタっとしていた藤井さんが、急に勢いよく起き上がり、私を抱きしめた!




藤「…俺の〇〇やもん……」

〇「っ//…藤井さん…///」





望「あ〜流星、重症やわw」


☆76☆


藤井さんって…不思議。


身振りとか…
あ〜……キス//…とか……?

すっごく大人なのに…


私に、イジワルしたりする Sっ気は、まるで小学生並。


まぁ…
大人なイジワルも するけど//…


今はこうして、私を抱きしめユラユラして離れない。


〇「…ふ// 藤井さん?…分かりましたから!…もう、離れてください//…」


みんな見てるのに…//


藤「俺の…」


なんて、つぶやく。
人目もはばからず…//



あ〜〜もぅ!
こんな可愛い ギャップの嵐!!!

私だって、重症だよぉ〜!!!





藤「そうだ!〇〇っ!!!」

〇「は、はいッ!!!」



急に私から離れ、両肩を鷲掴みされる。


めっちゃ笑顔の藤井さんは、
『子供 3.5 : 大人 6.5』 の、ズルイ感じ!


分かるかな?
この、ズルイ感じ!!!


その上…



☆77☆

その上…



藤「 café やらん??」

〇「…えっ……か…ふぇ??」

藤「おん!一緒に!!!」






どうして……?








私の夢……








聖「それっ!めっっっっっっっちゃくちゃイイじゃんっ!」








〇「……っ…………フジイ…サン…っ…」






嬉しくて、溢れる涙…








藤「俺しかもらえん、〇〇の初めて!」

〇「…ハジメテ……?」

藤「おん!〇〇の夢。俺が叶える!」









〇「……café…」




そう。
café
を開く事は、私の夢だった。



いつも側で見ていた、母が切り盛りする食堂を。




だから…




藤「…ダメ……かな…?」




そんなの…


もぉ〜嬉しくて、涙もあって、声にならない…


私は、ブンブンと首を振り、藤井さんに抱きついた!




藤「ふふっw かわええ♡」


☆78☆


藤井さん…



私、道を間違えなくて良かった。




もっともっと勉強して、


必ずステキな、





ふたりの『café』に出来るように頑張る!!!





〇「ありがとね♡」
藤「ふはぁっw 可愛く言うなよ♡」




望「バカップル!」
神「しゃ〜ないなぁ〜ww」
聖「おっ!諦めたん??」
神「俺には聖羅がおるしぃ〜」
聖「やっと気付いたぁん?ww」



望「はぁぁぁ〜っ…………ふふっw 」





______________

望「ええ café になってきたなぁ?」
藤「おん!〇〇が居るからな!」
望「営業時間に close にならんからや!」


〇「ただいまぁ〜」
藤「おかえりぃ〜♡ ほな、望 帰ってええで?」
望「来たばっかや!そうやって、close にするつもりやろ?」
藤「…バレたぁぁ〜〜?」



☆79☆


〇「ふふっw 藤井さんはホール!望さんは私と厨房です!」
藤「えぇぇぇ〜〜嫌やぁ〜!」
望「アホか…」



藤「頑張ったら ご褒美くれる?」
〇「ふふっw いいですよw」



相変わらずのギャップ萌え♡

からのぉ〜




藤「今夜は寝かせへんからな?」



そっと近付き、耳もとで囁くその声に、


ゾクッ!!!





藤「赤なっとるぅ〜」


もぉ!!!

私だって、もう子供じゃないんだからっ!!!


〇「楽しみにしてるね♡………リュウセイ♡」


藤「っ!!!りゅ、りゅ、りゅ、りゅう…せいって……言った…」




ちょっぴり腰を抜かした感の藤井さん…


これまたギャップかよ♡







望「早よっ!!!」





〇「は〜いww」







こんな楽しい場所。





迷いながらも辿り着いた居場所。













私の『café』







☆fin.☆



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