角名 side
- 授業中にやんわりと
侑と何かあったのか聞いてみたけど駄目だった
あんな怯えた顔しといて何も無いはずがない
実際侑は遠回しに何かあったと言ってるようなもの
相当言いたく無いんだろうな
角名:はぁ………
治:何やねん。溜息なんて珍しいなぁ
- あなたの席を借りて俺の隣でおにぎりを食べる治
あなたは今日……食堂か
角名:ねぇ治
治:なんや?
- おにぎりを食べながら顔を此方に向ける
口元にご飯粒付いてるよ?
角名:頼みがある
治:おにぎりはやらんで
- まさか…治じゃないんだから
角名:教えて欲しい
治:何を?
角名:あなたと侑が……過去に何があったのかを
治:…………
- 治はおにぎりを食べる手を止めた
何なら噛んでいた口の動きさえも止めた
あなたが好意恐怖症だと知った
あの日と同じ顔をしていた
治:………すまん,それは言えへん
- 治はそう答えた
第三者であろう治が言えないくらいだ
相当深刻な事だと俺は悟った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。