あなた:ん…………
- 目を開いたら見慣れない天井
ここは____何処?
保健医:あ,目覚めた?
- 『 もう放課後やで 』と笑う先生
あなた:え……放課後……!?
保健医:そ。朝倒れて運ばれてから今までずーっと寝てたんやで
- 『 すごい寝不足やな 』と笑う先生
昨日全然眠れなかったせいか………
保健医:倒れた衝動で額ぶつけてて痣できてるから
- 『 触らないように気を付けてなぁ 』と先生は言う
ていうか先生……" 運ばれた "って言ってたよね?
あなた:あ,あの先生…!
保健医:?どないした?
あなた:あたしを運んでくれたのって……
保健医:あぁ,あの黒髪の男子やで!
- 『 体育祭の時も連れてきてくれとったよなぁ 』
と笑う先生
______角名くんだ
あなた:ッ………
- あたしは角名くんにお礼が言いたくて体育館に来た
別にLINEでもいいかなとは思ったんだけど……
何となく,直接言いたかった
あなた:でも練習中に言えるわけないッ……!
- 入口で一人で葛藤していた時だった
?:自分,こないなとこで何しとるん
あなた:ッえ!?
- 突然後ろから声を掛けられて驚いて振り返る
この人は確か____
あなた:主将さん……?
?:?せやで。北信介や
- " 北 "と名乗る人物
治くん達の会話で何度か聞いたことがあった
北:で?何しとるん?誰かに用か?
あなた:あ,えっ……と……角名くんに……
北:?角名?告白か?
あなた:えッ!?ち,違います!!!!今日あたし倒れた時に運んでくれたらしくてお礼に……
- 北さんは『 そういう事か 』と言えば扉を開けた
侑:北さん主将会議終わったんですか!!
北:ああ。ちゃんと練習しとったか?
治:サボってました
侑:おいサム!!!!
北:侑。後でサーブ100な
侑:………はい………
- あの侑くんが何も言い返せない
やっぱり……北さんって凄い人なんだ
北:角名
角名:?はい
北:客人
- 北さんはあたしの方を見た
それと同時に部員も一斉に此方を見る
あなた:あ,え,えっと……
角名:……!あなた……!
侑:え!?あなた!?
治:ツムうるさい
- 角名くんは此方に走ってきてくれる
角名:もう平気なの?
あなた:あ,うん……ただの寝不足だから平気
角名:そっか……よかった
- 安心したように微笑む角名くん
あたしはまた胸が痛くなる
あなた:は,運んでくれたって聞いたから……!
- 『 ありがとう 』とお礼を言うと
『 わざわざお礼しに来たの? 』と笑われる
あなた:LINEでもいいかなとは思ったんだけど……何となく直接言いたくて
- あたしは照れた顔を誤魔化すようにそう伝える
角名:俺もあなたに会いたかったから嬉しい
- 彼は確かにそう言ってくれた
あたしがポカンとしてると
突然彼の手はあたしの前髪を上げた
角名:青くなっちゃったね
あなた:え……!?
角名:痛いでしょ?凄い音したもん
- 心配そうに見詰める角名くん
あなた:だ,大丈夫だよ!直ぐに治るよ!
- あたしは安心させるように笑ってそう言う
すると
額に柔らかい物が当たる感触がした
あなた:ッ………!?
- 当てられたのは____角名くんの唇
角名:早く治りますように
あなた:へ………?
角名:じゃ,お大事にね
あなた:あ,うん……!練習頑張ってね!
- 『 ありがとう 』と笑って中に戻る角名くん
中では侑くんが騒いでいた
どうしよう____ドキドキが止まらない
あなた:……帰ろう……
- 帰って落ち着こう,そう思って振り返った時
楓花:難波さん,ちょっといい?
- 立っていたのは例の女の子だった
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小野 楓花( オノ フウカ )
身長:155cm 体重:軽め 容姿画像参照
稲荷崎高校2年2組のチア部
角名と中学が同じでずっと好きだった
あなたと角名がいい感じだという噂を聞いて
焦りだした楓花は______
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。