角名 side
治:あっついなぁ……
角名:ほんと……溶けそう……
- あれから何の進展も無いまま
7月,期末テスト期間に突入した
治:勉強なんて嫌や……はよ部活したい……
- テスト期間は部活が無い
でも赤点を取ったら合宿に行けない
俺は赤点取る心配はないけど
治はもっと勉強をしてほしい
治:角名ぁ〜……わからへん
角名:さっき教えたばっかりでしょ
治:何でや…教えてや……
- 放課後,教室に残って勉強をしている
他の皆は大体図書室とか使っているから
今は俺と治の2人だけ
治:……なぁ
角名:話してないで問題解いて
治:角名ってあなたの事……好きなんよな?
- 俺の言葉を無視して話し続ける治
角名:そうだよ?
- 別にもう隠しているつもりもないから普通に答える
治:あなたって好意恐怖症なんよな?
角名:うん,そうだよ
治:したら………
角名があなたのこと好きって知ったら怖がるって事よな?
- 治にしては正しい事を言った
そりゃそうだ
俺だって一人の男
きっとあなたは俺が何の気も無いって思っているから
普通に接してくれている
でももし好きだって伝えたら?
好意を持ってるって知られたら?
きっと……今の関係では居られなくなる
角名:何?あなたに言うつもり?
治:まさか,そんなことせぇへんよ……ただ
俺と角名は" 同じ "って事やな
- ………同じ?
どういうことだ……?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!