角名 side
- 今日の練習は絶好調だった
自分ってこんなにもわかりやすいんだな
だって今日はクリスマス
しかも____あなたと一緒に過ごせるのだ
銀島:角名今日絶好調やったなぁ!
角名:そう?
銀島:何かええ事でもあるんか〜?
- ニヤニヤしながら聞いてくる銀
治と侑は多分知ってるから突っ込んでこない
角名:うん。あるよ
銀島:何!?何があるん!?
角名:あなたと出掛ける
- そう言った瞬間,銀は固まった
銀島:あなたって……あのあなたよな!?
角名:そうだよ
- 『 何やそれ羨ましい!! 』と言う銀
それもそうだろうね
きっと殆どの男子が羨ましいって言うと思う
俺だって……一緒に行けると思わなかった
治:角名
角名:?
治:頑張りぃや
- 治は今日,俺が気持ちを伝える事を知っている
『 何か妹が取られる気分やわ 』って言われた
お前らみたいな兄貴,ごめんだね
侑:………
角名:………
- 侑はあなたの話題になると入ってこなくなった
それもそうか____自分の好きな子でもあるもんね
侑:………俺に気ぃ使うなや
角名:え……?
- 別に気使ったつもりも無かったけど
侑は確かにそう言った
侑:俺,あなたにちゃんとフラれてんねん
- 侑があなたにフラれた……?
そんなの初耳だった
どうやら保健室でキスをしたあの日らしい
侑:俺は諦めとらんけどな!!!!
角名:そんな簡単に諦められたらすごいよ
- 侑がどれだけあなたの事を好きかは理解していた
だからそう簡単には諦められないだろう
でも____
角名:俺は負けないからね
- 俺はそう笑って部室を出た
部活が終わった連絡もしっかりした
早く………早く会いたい
早く____想いを伝えたい
角名:………遅いな………
- 待ち合わせの時間は18時
現在の時刻は18時半
____おかしい
きっと遅れるなら連絡を彼女はくれるはず
でも何も無いし既読も付かない
角名:何かあったのか……?
- 家に行こうか悩んだ
でももし携帯を忘れただけとかだったら
すれ違いになってしまう
もう少しだけ待ってみよう
そう思っていたら____19時を過ぎてしまった
角名:……流石におかしい
- 何かあったのかもしれない
そう思った俺はあなたの家の方に走り出した
すると……途中の交差点には救急車が止まっていた
救急車の中に運ばれていたのは____
紛れもない,俺の好きな子だった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!