侑 side
- あなたが学校に来なくなった
風邪でも引いたんやろか
治:あなた,きょうもやすみなん?
侑:しらんわ,あんなぶす
- サムからの質問に俺はそう答える
____本当は死ぬ程心配しとる
治:なにがぶすやねん。いつまでかっこつけとんねん
- サムの言う通りやった
俺はあなたをブスだなんて思ったこと一度も無い
何ならあなたはすごく可愛ええと思う
侑:うっさいわ
治:あなたがかわいそうやねん。もうやめや
- 俺だってこんな餓鬼みたいなこと辞めたかった
でもこの頃の俺は餓鬼だったから
素直になんてなれなかった
侑:したらサムがあなたとちゅーしたらええやん
治:ちゅーしてええの?
侑:だめや
治:なんやねん
- この頃の俺たちに" 付き合う "って知識はなかったから
ちゅーするか,結婚するかしかないと思ってた
侑:だってあなたをよめさんにもらうのはおれやもん
- 俺はあなたのことが好きやった
転校してきた時からずっと好きやった
あなたが俺の事を好きだと知って
ほんまはめちゃくちゃ嬉しかった
でも餓鬼だった俺は素直になれんくて
その時あなたにしていたことが
取り返しのつかないことになるなんて
思ってもいなかった
侑:あなたきょうもやすみなんかぁ……
- もう2週間学校には来ていない
朝の会のチャイムが鳴ると先生が入ってきた
担任:えー暫くお休みしていた難波さんやけど,
昨日,小学校を転校しました
侑:………え………?
- 転校………?なんや……それ……
俺はもう………あなたに会えないんか……?
俺は気付いたら涙を流していた
周りは驚いとったけどそんなん関係なかった
俺は______あなたを傷付けてしもたんや
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。