第32話

友達2
202
2020/03/28 16:32
川村壱馬
川村壱馬
もう、なんもしてこねぇんだろ
湯浅愛羅
湯浅愛羅
うん…会ってないし、向こうも忘れてるんじゃないかな……あたしのことなんて
小さなふぅん、が聞こえたあとまた壱馬は黙ってしまった。
また考え事なのか……それとも。
湯浅愛羅
湯浅愛羅
|ω•̀ )?
北人に視線を送って問いかけてみたものの、微妙な顔で首を傾げるだけ。
幼なじみ様にも分からない、この沈黙の意味。あたしは分かるどころか、ただビビってるだけだった。
川村壱馬
川村壱馬
だめだ。今は関係ねぇってわかっても…
川村壱馬
川村壱馬
やっぱむかつく
どうやら、我慢しようとしてくれていたらしい。あたしにとって壱馬にされる束縛が嫌なわけないのに。
川村壱馬
川村壱馬
それがファーストキスか
湯浅愛羅
湯浅愛羅
え?
聞きづらそうに聞いてくるところを見ると、知りたいようで知りたくないという壱馬の気持ちがわかってしまった。
湯浅愛羅
湯浅愛羅
ううん、違う
川村壱馬
川村壱馬
他にいんのかよ
湯浅愛羅
湯浅愛羅
壱馬だよ
あたしのファーストキスは誰がなんと言おうと壱馬なんだ。あたしは、壱馬にキスしてもらったとき、そう決めた。
川村壱馬
川村壱馬
あ?  …でもさっき
湯浅愛羅
湯浅愛羅
ファーストキスは壱馬のキスなの
にっこり言うあたしを壱馬は驚いたようにじっと見て、フッと笑った。
川村壱馬
川村壱馬
マジで反則…
湯浅愛羅
湯浅愛羅
へ?
あたしがあたしから顔を背けた壱馬を覗きみようとすると、むぎゅって両頬をつままれた。

そして一言
川村壱馬
川村壱馬
見んな






そう言った壱馬の顔は真っ赤だった。

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