第33話

♡1
205
2020/03/28 16:43
それは……朗報と言っていいのか、アクシデントと言っていいのか。

その日の夜。壱馬に携帯復活してもらったから、美優にすぐメールしたのに、ずっと返ってきてなかったんだけど、その美優から、夜中に急に電話がかかってきた。






『好きになっちゃったかも』

あたしの『もしもし』の『もし』くらいで被せられた少し震えた美優の声。寝起きのあたしの頭を覚醒させた突然の言葉。

湯浅愛羅
湯浅愛羅
へ?
美優
美優
好きになっちゃったの!
湯浅愛羅
湯浅愛羅
だ、誰を…?
急にそのセリフを繰り返し言われても、あたしが知りたいのは''誰に恋したの?’’ということだけだった。
美優
美優
…、……きくん
湯浅愛羅
湯浅愛羅
え?
美優
美優
いつきくん!
朗報なのか、はたまたアクシデントか。
まさかのまさかで、美優が樹を…。

固まって何も言わないあたしに、不安そうに美優が聞いてくる。
美優
美優
もしかして……やっぱり彼女いる?
樹の彼女なんて見たことない。話も聞いたことない。でも、話に出さないでいるだけかもしれないし……そういえば
『いない』とも聞いたことがない。。
湯浅愛羅
湯浅愛羅
ちょっ、とわかんない、かなぁ…
美優
美優
いないの!?
湯浅愛羅
湯浅愛羅
ん〜いないともいるとも聞いたことないの
『そっかぁ、』とホッとしたような残念なような微妙な声の美優に…あたしはつい言ってしまった。
湯浅愛羅
湯浅愛羅
聞いとくよ!
美優
美優
いいのっ?
湯浅愛羅
湯浅愛羅
うん!タイプとか聞いとく!
美優は大喜びで『ありがとう!』と耳元で騒いだ。あたしは張り切って『まかせて』なんて言って。。
ほんとうに、''つい’’というのは怖いもの。
言ったからには、絶対に情報を手に入れなければ。。

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