ガチャッ
明るくふわふわした笑顔は、
私が手に持ってるスマホを見た瞬間
見たこともないくらいの、
恐ろしい顔へと変わった
勇気を振り絞り、、恐る恐る問いかけると
彼女はまた、にやりとほほえんだ
ポタッ
緊張の糸が解けて一気に涙が溢れ出す
どうしよう、、
私のせいで、、みんなに、
辛い思いをさせてしまう
そんなの嫌に決まってる
SEVENTEENを抜けるのももちろん嫌だけど、
私一人がいなくなるだけで、
みんなが今まで通り幸せに暮らせるんなら、
抜けるのが一番だ
って、そんなことわかってる、
分かってるけど、
今まで読んできた 漫画や小説の主人公のように
強くもないし、優しくもない、
どうしようもない、臆病者なんだッ
昨日も、さっきも、
あんなにたくさん泣いたのに、
なぜここまで大量に涙が溢れて来るのだろうか、
右手についてる指輪が目に入る、
あの日、私たちがデビューした日
14人でお揃いにして作ったものだ、
私たちSEVENTEENは、
どこにいようが、ずっと一緒だと、
信じていると約束した日
私は心を決め、直ぐにスマホを手に取り電話をかけた
私がSEVENTEENを抜けるまで
あと7日
NEXT⑮
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。