第44話

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42
2019/09/21 12:49
岡崎 佳奈
…なんとなく?
山口 翔太
なんだよそれ…
納得いかないような顔




そんな顔、しないでよ…
岡崎 佳奈
いや、別に普通にそう…
山口 翔太
普通にって…
山口 翔太
なんか悲しい
岡崎 佳奈
…え?
山口 翔太
なんでもない



悲しいって、どういうことなの











山口 翔太
あ、そうだ
山口 翔太
雑貨屋あるんだってそこ行こうよ
岡崎 佳奈
え?雑貨屋?
山口 翔太
うん、結構人気らしいよ
さっきのあの顔はどこに行ったのか、


なんかちょっと柔らかい表情になった



やっぱり、切り替え早いな








山口 翔太
おい、早く行くぞ
岡崎 佳奈
あ、うん
ボーッとしているうちに


立ち上がっていた翔太



岡崎 佳奈
でか…
小さな声で言ったつもりだけど
山口 翔太
お前が小さいんだよ
聞こえてた







大きな背中


懐かしい背中


岡崎 佳奈
え、あ!払うよ!
私の分まで払おうとする翔太


急いだけど、間に合わなかった
岡崎 佳奈
ごめん、これ、はい
急いでバックから財布を出し、お金を渡した



山口 翔太
いいよ、こんぐらい
岡崎 佳奈
え、ダメ
山口 翔太
ダメ
真剣な顔で私を見てくる



まっすぐな瞳


吸い込まれそう
岡崎 佳奈
ごめん、ありがとう
翔太に負けてしまった


そんな瞳に勝てるわけ、ないよ
岡崎 佳奈
今度お礼する!












先に歩き始める翔太



優しいところ変わんないなぁ、なんて思ってしまった
山口 翔太
あれから伸びたの?
岡崎 佳奈
うん、まぁちょっと?
山口 翔太
嘘だ
岡崎 佳奈
いや、ほんと
岡崎 佳奈
……たぶん
山口 翔太
たぶんってなんだよ
ふっと笑う翔太


私にも笑顔が移って、






外に出ると、太陽も笑ってた

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