第37話

🌸 頬に口付け 🌸
111
2018/06/16 15:46
悠)服、これであってるか?

貴)うん、!
それなら宮野くんでも
着れると思う

悠)じゃあ風呂借りるな?

貴)何も出来なくてごめんね、

ポンッ

悠)何言ってんだよ
俺がしたくてしてんだから
お前は大人しく甘えとけ?

宮野くんの優しい手と言葉が
冷たくなった私の心を暖めてくれる

貴)ありがとう、!

悠)おう!じゃあ風呂行ってくる

貴)うん!

ガチャッ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ー宮野悠斗sideー

キュッ

シャーッ

悠)ふぅ、

あんなに寂しそうな顔をした
下野は初めて見た

少し潤んだ目で俺を見上げる
下野をみて『俺が守りたい』
そう強く思った

悠)俺なら、下野を笑わせられるかな. . .

確かな自信があるわけじゃない、
ただ俺なら寂しい時に隣にいて
涙を拭くことも出来る

悠)隣に、か. . .

あの時の下野は、
触れたら壊れてしまいそうなほど
弱っていた、
きっと小さい頃から体調崩すたびに
心細かったんだよな. . .

キュッ

ガチャッ

風呂から上がり洗面台にある
鏡に映る自分を見る

鏡の中の俺は. . .
どこか、悲しそうな顔をしていた

悠)こんな顔してたら下野、
また悲しい顔するよな

パチンっと頬を叩き
着替えを済まし下野の部屋に戻ると

ガチャッ

悠)下野〜風呂借りた、ぞ. . .

貴)スーッスーッ. . .

下野はベットの上でクマのぬいぐるみを
抱きしめ小さな寝息を立て寝ていた

悠)かわい、

カシャッ

貴)んん、

悠)やべ、

無意識に持っていたケータイで
下野の寝顔を撮っていた

無防備なその姿に俺の体は
下野に近付き

チュッ

柔らかい下野の頬に口付けをしていた

悠)ッッ(照)

何やってんだ俺. . .!!

キスをしてもなお無防備に寝ている
下野をみて胸がさらにうるさく音を鳴らす

悠)ね、寝よう. . .

俺が風呂に行っているあいだに
敷いたのかベットの下に
布団が敷いてあった

悠)(風邪なのに無茶しやがって、)

そんな事を思いながらも
俺のために下野がしてくれたと思うと
嬉しかった

悠)おやすみ、下野

寝ている彼女につぶやき
部屋の電気を消し眠りについた

暗くなった部屋の中、

貴)ッッ(照)

顔を真っ赤にしている彼女には気付かずに、

プリ小説オーディオドラマ